2013年8月30日金曜日

ありえへん! L.O.T.W.式音楽用語解説・其の5


やめてくださいよ! 暑いぞ! ムカつくんじゃ!
よって今年も月々の目標、月六回更新は出来そうもありまてん。すまんな
But! 一縷の望みを賭け、挑んでこそぎゅぁんぶらーじゃありまてんこと? (ヲホホホホ
だからまた日にち捏造しちゃいまった! 
後日埋めりゃEんでしょ! 梅りゃ! (逆ギレ

つーこって今回はBeatについてー!
さーあ、いつもの行きますよー! 皆さん、御唱和ください!
カッコEビートは正義(Justice)!!!!!!!!!!!!!!

2013年8月28日水曜日

PELICAN 「Australasia」


シカゴの四人組ヘヴィインストバンド、2004年の初アルバム。ISIS:アーロン・ターナー運営のHydra Head Recordsより。(現在はレーベル閉鎖中)
ジャケデザインは言うまでもなく社長、御自ら。

音世界はポストロックにも通じるヘヴィミュージック。分厚いギターリフ主導で曲が展開し、起伏は展開任せ。無論、一曲一曲は長め。
そのリフ構成は、フィードバックに逃げたり、カッティングやワウのような変化球に溺れたりせず、ひたすら剛球一本槍。ベースはひたすらユニゾン。初アルバムらしい衒いのなさが魅力だ。
それを単調、と論うのは簡単だが、ココまでリフリフアンドリフと貫かれれば、ヘヴィリフへの耐性如何で清々しい思いに駆られるのではなかろうか。
この手のバンドにありがちな、めそめそした叙情性(つまり〝エモさ〟)が皆無で、剛球ならではの漢の哀愁を漂わせているのも良い。
以上を踏まえ、メタルっぽいマチズモを感じさせて受け付けないわー、と仰られるならこのバンドは眼中に入れなければよろしかろう。

で、そこら辺を受け入れられる激音慣れした耳の方々へ、このブログっぽい難点を提議するならば――
『この手のバンドってポストロックにも通じる音楽性なのに、音響に対するこだわりがないのは何でなの?』
鳴らし方、外し方、崩し方、乱し方、鳴らす位置、鳴らす音量、それらによる効果と反映のさせ方――をさほど考えず、雰囲気だけ近付けたこの手の音楽性を安易に〝ポストロック風〟と括ってしまう風潮に、筆者は違和感を感じてしまう。
音の快楽はどうしたのさ!

そんな重箱の隅を突付く筆者など捨て置いて、このアルバムは曲展開の構築美と力技の成せる熱量が存分に味わえる良い作品だ。
それはそれ、これはこれ。

Disc-1 「Australasia」
M-01 Night End Day
M-02 Drought
M-03 Angel Tears
M-04 GW
M-05 Untitled
M-06 Australasia
Disc-2 「Pelican EP」
M-01 Pulse
M-02 Mammoth
M-03 Forecast For Today
M-04 The Woods

二度目の日本盤はデビューEP付きのお徳盤。しかもゲートフォールド紙ジャケ仕様。


2013年8月26日月曜日

RED SNAPPER 「Key」


Warpな人力アブストラクト四人組の復活作。四枚目、2011年発表。
一応メジャーのV2 Beneluxより。

曲の運転手たるウッドベースのアリ・フレンド、タイトなビートをカマしてくるドラムのリッチ・サイアー、湿乾自在の音色(ねいろ)で彩を与えるギターのデイヴ・エイヤーズに、クラリネット/メロディカ/サックスを使い分ける便利屋のトム・チャレンジャーが加わった。
それによる変化は、特になし。今まで通りの多角的な人力アブストラクト。
強いて挙げれば、サイアーのビートパターンがちょっぴり複雑化したかなとか、若干ループを頼る傾向が出てきたかなとか。フレンドがウッドベースだけでなく、M-07のようにエレクトリックベースも弾くようになったとか。
――あ、本作からフレンドがちょくちょく歌うようになった!
最大の変化はコレかもしれないが、元々歌入り曲はアルバム構成のアクセントに過ぎないバンド。フレンドがRED SNAPPER解散後に組んだCLAYHILLより連れて来た渋い声のギャヴィン・クラーク(M-04、06)と、ハスキーな声色の女性ソロシンガー:イライザ・カーシー(M-03、08)も当たり前の顔をして流れに溶け込んでいる。
――いや、M-08はパワフルなビートとスペイシーなギターフレーズの上へカーシーおばさんの熱唱が被さる中、チャレンジャーがサックスでベッタベタな合いの手を入れるという、80年代の臭い漂うダサさ紙一重の強烈な曲が一際異彩を放っている。
ただ、今まで彼らはこのような妖しい変化球をアルバム毎にしれっと含ませてきた食えないバンド。この異色ぶりも計算の内だろう。

このように、いつも通りなようで、十年も経てばちっとは作風も変わるわな、と思わせといてやっぱり根っ子の部分はどっしり御柱、という安定性が魅力。
そんな中、今までゲストで賄ってきた金物系パートをチャレンジャーで固定出来たのは大きい。彼のフレーズワークは若干ベタな傾向はあるが、現時点で最良のピースかと思われる――バンド自体がアクの強さを売りにしている訳でもないし。
――じゃあ何を売りに、彼らは音楽を演っているのかって?
こんな演奏が手堅く巧くて、四人のアンサンブルも完璧で、しかもフロアを縦にも横にもロッキンさせられるバンドが、ふらっと立ち寄ったライヴハウスで演ってたらどうよ? カッコ良過ぎて、しっびれるぜー?

M-01 In Your Backs
M-02 Chimee
M-03 Biffa Bacon
M-04 Jack
M-05 Spiky
M-06 Architectronic
M-07 Take Your Medicine
M-08 Loveboat
M-09 Eye Liner Stab
M-10 Great First Touch
M-11 Racing Snake
M-12 Off Balance
M-13 Fat Roller
M-14 You Read My Cards Wrong


2013年8月18日日曜日

R + NAAAA 「R + Naaaa」


日本ビート学の権威・RIOW ARAIが五名の女性シンガーを迎えた歌モノアルバム。2009年四月発表。(コチラ同年十一月発表)
ユニット名は〝あーるぷらすなー〟と読む。

参加シンガーはNONPAREILLE(ノンパレイユ)こと平松奈保子ANNA YAMADA(山田杏奈)、スペイン帰りのAKANE DEL MAR、日独シューゲイザー同盟・GUITAR(注:ユニット名)AYAKO AKASHIBA(赤柴亜矢子)KARENACHICO。しんみり型あり、クール型あり、ウィスパーあり、オーソドックスありと、人選に多様性があり〝音色としての歌〟を意識していることが窺われる。
だからと両極端に、静謐トラックとガッツンガッツンアゲていくアッパートラックが同居している訳もなく、おおむねアルバムはチルアウト方向でしっとり進行してゆく。

ではRIOW ARAIのほぼ代名詞であるボトムラインはと言えば……相当シンプルに組んである。上モノも、流れに〝刺す〟のではなく、流れに〝沿って〟いる。歌モノだからシンガーを立てる、という前提もあるが、ツジコノリコとのRATN同様、彼の中で〝コレはコレ、アレはアレ〟と意識的に分けているよう見受けられる。
それが良く出ているのは、意外にもM-07。メイン活動の「Mind Edit」のラストに置かれ、作中で浮いていた〝Daybreak (I Dine At)〟の歌入り/ボトム打ち替えリメイクなのだが、NONPAREILLEの優しい声色も相俟って、元ネタでは寸足りなかった部分が埋まった好トラックに仕上げ直されている。
メイン活動のトラックを流用して、どこが〝コレはコレ、アレはアレ〟なの? なんて疑問もあろうが、荒っぽいビートのアルバムを心地良く締める意図を持って組んだチルアウトトラックを、チルアウト的構成のアルバムで再構築して何か問題でも? と返答したい。

いつものブロークンなビートを期待しては肩透かしを食らう内容だが、一皮剥けた「Rough Machine」以後の活動からして、一作品中でアレやコレやと音楽性を掻い摘んでも自分の作品の聴き手は付いて来てくれない、と判断したかのような一作毎での作風の統一感は、彼なりのレッテルの剥がし方と考えれば、作品へ素直に入っていけるはず。
そうなれば、学究肌でありながら常に自分の可能性を探求し続け、かつ冷静に自己分析が出来る、彼らしい作品だと気付くだろう。
ただ、外国語詩の拙い発音や、現時点でアルバム一枚歌い切らせるに至らない実力のシンガーも居る点が引っかかったり、そこまで気にする必要もなかったり。

M-01 ルーム4307 (NONPAREILLE)
M-02 クチカケトマト (ANNA YAMADA)
M-03 家 (ANNA YAMADA)
M-04 Volar -羽ばたき- (AKANE DEL MAR)
M-05 CRY4U (AYAKO AKASHIBA)
M-06 UNI-CO (ACHICO)
M-07 トーキョー (NONPAREILLE)
M-08 Ilusion Eficaz -価値ある幻想- (AKANE DEL MAR)
M-09 Aerial Line (ANNA YAMADA)
M-10 Ride On (AYAKO AKASHIBA)
M-11 Noche Del Aire -空気の夜- (AKANE DEL MAR)


2013年8月16日金曜日

ルーク・ヴァイバート 「Rhythm」


クラブミュージック界の高田純次、ルーク・フランシス・ヴァイバートの本名名義――かと思いきや、何とカタカナ名義。2008年作で、本名名義とするなら単独作品で四枚目。
日本の気まぐれクラブ系レーベル:Soundofspeedより。

本名名義ということで、ある意味プライヴェートな内容。
かと言って習曲を蔵出しした訳でも、聴き手が付いて行けないくらいぶっ飛んだ内容でもない。いつも通りの、温くていい加減なルークワールド。
M-05以外、2008年から2009年にかけて出したアナログEP三枚より全て引っ張ってきている、編集盤のような収録曲構成もそれに輪をかけているような。
では何を以ってプライヴェートな内容なのか。
この名義はスモーキーなブレイクビーツを演ったり、大大大好きなアシッドハウスを演ったり、スティールギター奏者とコラボったり、モーグシンセ奏者に急接近したりと、非常に節操がない。ファイル音源だが、ラッパーを連れて来たりもしている。
つまりその時、一番演りたいコトをこの名義で展開しているから。

で、今回はヒップホップらしい、オールインストの。
とは言え、近年のヒップホップ界主流のバウンスビートでノリノリのトラックを彼が組むはずもなく(いや、諧謔的にいづれ演りそうな気がするんだけどなあ)、オールドスクールからミドルスクールを意識した創りになっている――
かと思いきや、そこはルーク。出て来た音はWAGON CHRIST名義とさほど変わらんだろうと。どうしようもなくヒップホップな部分は、それ系で頻繁に使われている声ネタ多用や、シンプルにゆったり刻まれたセオリー通りのブレイクビーツくらい。むしろMo'Waxから出た一枚目のコッチの方がヒップホップ流儀に法っている。
いくらオールドスクールっぽくヴォコーダー声を使おうが、今に始まったコトではないし。
だがココまで自分の色が出ていると、難癖よりも逆に清々しさを覚える。野球で言えば、球の軌道は明らかにスライダーじゃないっぽいのに、投げている本人が『スライダーの握りで投げてるからコレはスライダー』と言い切っているような。
おまけに『空振り取れたんだから文句ねえだろ』と。

そんなルーク投手、本作も〝零封はしないまでも、きちんとQS(先発投手が六イニングを三点以内にまとめること)を成し遂げ、悠々中継ぎ・抑えと交代。勝ちゲームをベンチで眺める〟ような内容を保っている。
その一方で、テーマを決めたら流れに沿いつつも、作風は一切ブレずに一作品を編み込める高い企画力もそろそろ評価すべきかと。トム、見習えよ?

M-01 Wow! It's Now!
M-02 Registrarse
M-03 Sparky Is A Retard
M-04 A Fine Line
M-05 My Style
M-06 Keep Calm And Carry On
M-07 Eleventy One
M-08 Rhythm
M-09 Concertina Turner
M-10 James Bond In A Jimmy Hat
M-11 Harmonica Sellers


2013年7月30日火曜日

PONGA 「Psychological」


NY地下音楽シーンの猛者:ウェイン・ホロウィッツ(Key)とボビー・プリヴァイト(Ds)が、シアトルのイカレサックス吹き・スケリックを誘い、そのスケリックが連れて来たデイヴ・パーマー(Melodica、Key)を加えて結成した四人組の二枚目。2000年作品。
日本の大手インディー・P-Vine Recordsからの正式リリース――ということはコレ同様、元々は自主制作盤。

スケさん関連というコトで、例の如く〝ジャズっぽい何か〟。
CD帯記載の叩き文〝PONGA Is Improvised,No Overdubs〟通り、プレイヤー同士が演奏中に抜き差しならぬせめぎ合いを繰り広げるジャム。ゆえにスタジオ音源とライヴ音源が混在しても、何ら違和感もない。
また、各プレイヤーの担当楽器は上記で固定。普段はピアノ演ったり鉄琴演ったり移り気なスケさんも、当プロジェクトではひたすらサックスを吹き散らしている。
他、プリヴァイトはジャズ畑らしいオフロードなビートを叩き出し、ホロウィッツはかの鍵盤プログレトリオばりの粘っこい音をひねり出し、パーマーは同パートのホロウィッツと競りつつも得意のメロディカでセピア色の雰囲気を醸し出したりもする。

この通り、今回は真剣と書いてマジだ。各々の目が血走っているくらいマジだ。

だが即興一本槍とは言え彼らは、内容のないセッションを意味付けるべく真剣面を貼り付けて、前衛ぶった溶解フレーズで演奏を引き伸ばすようなセコい連中ではない。
メンバー曰く、当プロジェクトは各々がDJ視点で生演奏を自己統制しているそうだ。
つまり、各自が気持ち良いと思ったフレーズを持ち寄り、各自の判断に任せてぶっ込んでいくスタイル、と考えて間違いない。
その象徴がM-04の終盤。スケリックのサックスが即興の末、明確にキャッチーなフレーズを曲調から剥離上等で選択している点に垣間見える。シンバルから火花が散るくらい激しいプリヴァイトのドラミングと対比させた、チンドン屋のような可笑しなフレーズを。
ただだらーっと音を反復させて気持ち良がってるのではない、指癖を逆手に取った攻めの姿勢、と例えるべきか。
こんな風に各自、アルバムの随所で反復の魔力に溺れず、持続の堕落に呑まれず、フレーズを揺らがせ、擦り込んでいく。ループ感などどこ吹く風で。

〝即興演奏〟と言うと取っ付きづらくて小難しい印象もあろうが、聴き手にとって気持ち良いコトを重要視した即興は分かりやすく、こんなにも楽しいよ、と理解出来る一枚。
そんな意味でも〝DJ視点〟だと思う。

M-01 Riviera
M-02 Psychological
M-03 Dental Melodica
M-04 Hagro
M-05 Nubile
M-06 Sabado Gigante
M-07 Show Me The Ponga


2013年7月28日日曜日

SUNN O))) 「3: Flight Of The Behemoth」


シアトルの重低音魔人二体による、2001年作の三枚目。
レーベルは本作からいつものアンちゃんトコで。アートワークは当然、オマやん。

M-01、02といつも通りの重低音絨毯爆撃。
だが油断して聴く音楽ではないがはいけない。本作から彼らの音楽に対するアプローチが変わりつつあるからだ。
今までは斧(〝Axe〟はギターの隠語)二本を振りかざしての重低音無間地獄。コレからは、そこから一歩踏み出し、違う地獄の景色を描いてみようと考えた。

そこでM-03と04の連曲。日本が生んだノイズグル・MERZBOWこと秋田昌美とのコラボだ。全く別畑からの起用かと思いきや、秋田はブラックメタルに理解を示しており、SUNN O)))とは割と簡単に折り合いが付けられたものと思われる。
さてその結晶は、あざといくらい安い音質のお陰でチェンバロのように聴こえる不吉なピアノループが先導し、SUNN O)))二人が絡んでいく形から始まる。だがやがて、その作為的なループは消失。秋田の手により、ギター音色がハーシュにまで崩壊し切ってしまう。
大地を揺るがす重低音、とぐろを巻いて両耳を苛むハーシュノイズ、存在を忘れた頃に再び現れ瞬くピアノループ――と、各音色が膨張と緊縮を繰り返す、眉間の皺の刻みが止まらない逸品となっている。
コレだけでも後の拡散路線の布石は打てた。

またM-05は曲タイトルからして何てことはない。かのMETALLICA〝For Whom The Bell Tolls〟の翻案だそうな。
オリジナル同様、鐘の音で始まる中、かすかにドラムマシーンによるビートが這い、重低リフが轟き、喉を鳴らして低い唸り声を洩らすこの曲、言うまでもなく原曲の面影など一切ない。それなのに、さり気なくインスパイア先への敬意を忘れない彼ら――
こうして先人や同胞の知/血を巧みに取り込み、音楽的な成長を遂げていくのだ。

Disc-1
M-01 Mocking Solemnity
M-02 Death Becomes You
M-03 O))) Bow 1
M-04 O))) Bow 2
M-05 F.W.T.B.T
Disc-2 「Sunn O))) With Merzbow At Earthdom 2007」
M-01 O))) Bow 3
M-02 O))) Bow 4

日本盤のみボーナスディスクのDisc-2は、新大久保Earthdomで2007年五月、秋田を迎えて演ったライヴの音源化。コレでしか聴けない。
SUNN O)))、秋田以外の面子は、アッティラ・チハー(MAYHEM)、オーレン・アンバーチ、トス・ニューウェンフイゼン、アツオ(BORIS)、といつものメンバー。
KIRINのビア樽を中心に参加メンバーが猛る、インナーのあほ写真で苦笑い。