2017年2月26日日曜日

THE PSYCHIC PARAMOUNT 「II」


キャリア最初期、オーサカ人太鼓叩き・中谷達也腰掛け在籍していたこともある、NYC出身の猛獣インストマスロックトリオ、2011年作は二枚目。
フィラデルフィアで不気味に蠢くNo Quarterから。

のっけからバカデカいピークレヴェルで鼓膜をタコ殴り! 否が応にも聴き手の高揚感を高め、ハートを鷲掴みにしてくる。それは前作でも一緒だが、今回は若干音の分離が良くなっている。
そんな彼らの強みはギター、ギター、アンドギター! ぎゃりぎゃりしたトレモロピッキングを軸にひたっすら弾き倒して音の壁を築き上げる。ギターが二本聴こえる時も、表(主音)では印象的な単弾きフレーズでしゃしゃりつつ、裏(背景音)ではやっぱりトレモロフレーズを垂れ込めるくらいトレモロ好き。
また、彼は一つのフレーズに固執せず頻繁にエフェクターを踏み替えて目先を変えることで、自ら曲を展開させるリーダーシップをも担っている。
これら我の強さがバンドの芯の強さと直結していると言って良い。
彼は主役。

ならば残りのベースとドラムは随伴接待脇役演奏をしているのかといえば、否。
ごりごりするピック弾きで、執拗にフレーズを反復する曲と、運指を自由に動かす曲を決め打ちしてバンドの凶暴性をかさ増しするベース。たまに主人公のギターを押しのけ、渋いフレーズワークで我が物顔する個所もあって堪らない。
一方ドラムは、スネア、タム、キック、ハイハット、クラッシュのパターンを自由闊達に構築することで『俺たちゃ脳筋じゃないんだぜ!』アピールと、手数の多さで曲の加速感や推進力を生むことに成功している。
これらを前述の荒々しくも分離の良い良好なプロダクションで録ることにより、いちいち意識せずとも各パートの演奏が聴き手の耳へとフィーチャーされる。ギターの一人相撲にならない。バンドとしての整合性も高める、素晴らしい相乗効果を齎すのだ。

これぞトリオ編成の美しき姿也。

M-01 Intro / SP
M-02 DDB
M-03 RW
M-04 N5
M-05 N6
M-06 Isolated
M-07 N5.Coda

日本盤あるよ。(ボートラないよ)


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