DAEDELUSことアルフレッド・W・ロバーツ、FROSTYことマーク・マクニールによる米製ブレイクビーツデュオ、唯一のアルバム。2003年作。
今をときめくFLYING LOTUSを輩出した、カリフォルニアのPlug Researchより。
暗い訳ではないが、湿った音像。声ネタ頻発。フィルターを掛けて音質を籠もらせた、アブストラクトど真ん中の音世界だ。
トラック自体は全体的にジャジーで落ち着いた雰囲気。不真面目にならない程度、飄々とユーモアを小さじ一杯。
そこへサンプリングでトライバル風味を織り込んだり、M-03のようにラッパーを迎えてベース主導の黒いグルーヴを醸し出したり、M-08のようにポエトリーディングに女性コーラスを被せてみたりと、手段を選ばず引き出しの多さを見せ付ける。
散漫かと思えば、湿った音像で揃えているため、統一感がある。
こやつらめ、なかなかやりおる。
さて、そこで我々日本人の感性をぐっと引き付けて離さないトラックが、M-11。
どこから拾って来たのか、かくれんぼを始める日本の幼児たちの裏で豆腐屋がラッパを吹いて客寄せする――そんな昭和の風景をイントロに、真っ向からオリエンタル色皆無のジャズブレイクビーツを展開する心意気はどうだ。
あざとい奴なら、そんな導入部から琴やら尺八やらを和音階で用いて『ほれ和風でござい』とドヤ顔するのに。
こんなさらっとハイセンスを見せる点が、筆者の琴線にいたく触れるのだ。
私情が入り込みそうなので総括すれば、ジャジーなアブストラクトってコトでNinja Tuneっぽい音。
その感想は確かで、相方のDAEDELUSはこの後、Ninjaから単独音源をリリースするようになる。なら、このユニットでもNinjaの一員になってもらいたいな。
M-01 The Age Of Aquariums
M-02 My Musical Friend
M-03 Whetting Whistles
M-04 Water Signs
M-05 Eel Sand Witch
M-06 General Midi Vs. Rusty 4eyes
M-07 Kids Say The Darndest Things
M-08 Sent From Sandy Shores
M-09 Girl Of The Well
M-10 Water Plop
M-11 Kappabashi
M-12 Hypnotized Arms
M-13 (Rusty Anchors Wrestling Waves)
キタ!
返信削除これけっこう前、良いって言ってたので買って聴いてました。
タイトル通りドリーミーな世界観が好きですね。
日本人の子どもの声とかサンプリングしてますよね。
フィルターは音を夢見心地にさせる魔法の機能なのさ。
返信削除