1993年から94年にかけて、週刊ビッグコミックスピリッツにて連載された松本大洋のまんがを、映画系CG技師上がりのマイケル・アリアスが監督したアニメ映画、のサントラ。2006年作。
本サントラは何はなくともPLAID――それに尽きる。
カリフォルニアの青い空・アリアス監督と英国紳士(笑)のPLAIDの接点は良く分からないが、PLAID初の劇伴音楽アルバムがコレ。
とは言え彼らは映像作家とのコラボには積極的で、一足お先に同年、ボブ・ジャーロックとのCD+DVD作品をドロップしている。
このようになるべくして演った本作。問題は内容よ、内容。
PLAIDと言えばふざけた写真と独特な音色使いで知られているが、劇伴音楽は映像にフィットした楽曲でなくてはならない。原作は多少とぼけた部分もあるものの、ぴりっと張り詰めた空気で貫かれている。PLAIDの裏の側面である脱力系のユーモアセンスが出しづらい状況にあると言って良い。つまり、我も抑える必要がある。
結果、彼らは話に併せた。本作はPLAIDとしては徹頭徹尾シリアスに編まれた作品だ。らしくない、と言えばらしくない作品なのかもしれない。
ただ、こちとらキャリア20年を超えるベテラン。そこかしこに如何にもPLAIDらしい、透明感があってメロディアスな上モノをちらつかせる。そうなれば『あー、やっぱPLAIDだなあ。ずるいわ』と聴き手は感じざるを得ないはず。
もちろん質に関しては一切問題はない。映像との噛み合わせもばっちり。そこら辺の堅実さはベテランたる所以。
いつものWarp産ではない(後にWarp直営のネット配信サイトで販売)ため、次作のような準本枠扱いされないのが残念だけど、やっぱりPLAID。
もう何を演ってもエドとアンディが創ればPLAID。
M-01 This City
M-02 Rat's Step
M-03 This City Is Hell
M-04 Brothers Chase
M-05 Butterfly
M-06 Oasis
M-07 Beginnings
M-08 Snakeing
M-09 Open Kastel
M-10 Assassouts
M-11 Safety In Solitude
M-12 Where?
M-13 White's Dream
M-14 或る街の群青
M-14は〝アジカン〟ことASIAN KUNG-FU GENERATIONによる書き下ろし曲。終いに取って付けた感は否めないが、きちっと原作を踏まえて曲を書いているので、そういうモンだと受け入れてあげよう。
なお、当曲にPLAIDは一切関与していない。
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