元BOARDS OF CANADA:クリストファー・ホームの、2012年作・六枚目。
Benbecula Records閉鎖により、Parallax Soundsへ軒を移しての初アルバムで、シュテファン・ラーション監督が手掛けたアニメのサントラとなる。
後は歯切れの良いブレイクビーツで軽快に進んだり、キックで拍を取るだけの上モノ任せな感じでまったりしたり、ノンビートで御想像通りのぼわーっとした背景音を立ち籠めたりと、何だかんだでソレっぽく料理している。
元々、地味なパーツをテクスチャで活かす才に長けた人。上モノの出来は言わずもがな。アンビエントなど得意中の得意であろう。最後のM-11、スタッフロール映えしそうなアルバム総決算っぽいブレイクビーツトラックで締めるのも良い。
また、元からメロディを軽んじない人。アニメはあんなんだが、劇伴まで難解そうだなと身構える必要は一切ない。
彼は彼。普段通り。相変わらず。
――と、ニカクリエイターらしからぬ作風の継続性が売りの人。特にこれ以上書くことはないと言えばないのだが……強いて挙げれば生成された音色がやや平べったい鳴りになったような気がする、Benbecula期よりも。
ま、機材を変更したなどの記述を確認出来ない以上、あくまで筆者の感覚なのであしからず。無論、元々ゴージャスな作風ではないので安っぽくなろうがCHRIST.らしさに何の陰りもないのは論を俟たない。
派手な主音を立てて、一発豪打で大量得点! ではなく、軽打と進塁打を地味に重ね、守り抜いて勝つニカを推進するクリス・ホーム。コレ以降、活動拠点を失って沈黙状態だったが、そのままフェイドアウトせずに戻って来てくれて、本当に良かった……!
M-01 Eternity In Our Lips And Eyes
M-02 I Have No Mouth
M-03 Indrid Cold
M-04 Zeroth Law
M-05 Epoch Six
M-06 Twynned
M-07 Need Between The Station
M-08 Singular
M-09 Ehaye
M-10 We Two Are One
M-11 Kardashev Type One
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