シカゴの四人組ヘヴィインストバンド、2004年の初アルバム。元ISIS:アーロン・ターナー運営のHydra Head Recordsより。(現在はレーベル閉鎖中)
ジャケデザインは言うまでもなく社長、御自ら。
音世界はポストロックにも通じるヘヴィミュージック。分厚いギターリフ主導で曲が展開し、起伏は展開任せ。無論、一曲一曲は長め。
そのリフ構成は、フィードバックに逃げたり、カッティングやワウのような変化球に溺れたりせず、ひたすら剛球一本槍。ベースはひたすらユニゾン。初アルバムらしい衒いのなさが魅力だ。
それを単調、と論うのは簡単だが、ココまでリフリフアンドリフと貫かれれば、ヘヴィリフへの耐性如何で清々しい思いに駆られるのではなかろうか。
この手のバンドにありがちな、めそめそした叙情性(つまり〝エモさ〟)が皆無で、剛球ならではの漢の哀愁を漂わせているのも良い。
以上を踏まえ、メタルっぽいマチズモを感じさせて受け付けないわー、と仰られるならこのバンドは眼中に入れなければよろしかろう。
で、そこら辺を受け入れられる激音慣れした耳の方々へ、このブログっぽい難点を提議するならば――
『この手のバンドってポストロックにも通じる音楽性なのに、音響に対するこだわりがないのは何でなの?』
鳴らし方、外し方、崩し方、乱し方、鳴らす位置、鳴らす音量、それらによる効果と反映のさせ方――をさほど考えず、雰囲気だけ近付けたこの手の音楽性を安易に〝ポストロック風〟と括ってしまう風潮に、筆者は違和感を感じてしまう。
音の快楽はどうしたのさ!
そんな重箱の隅を突付く筆者など捨て置いて、このアルバムは曲展開の構築美と力技の成せる熱量が存分に味わえる良い作品だ。
それはそれ、これはこれ。
Disc-1 「Australasia」
M-01 Night End Day
M-02 Drought
M-03 Angel Tears
M-04 GW
M-05 Untitled
M-06 Australasia
Disc-2 「Pelican EP」
M-01 Pulse
M-02 Mammoth
M-03 Forecast For Today
M-04 The Woods
二度目の日本盤はデビューEP付きのお徳盤。しかもゲートフォールド紙ジャケ仕様。
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