2013年8月16日金曜日

ルーク・ヴァイバート 「Rhythm」


クラブミュージック界の高田純次、ルーク・フランシス・ヴァイバートの本名名義――かと思いきや、何とカタカナ名義。2008年作で、本名名義とするなら単独作品で四枚目。
日本の気まぐれクラブ系レーベル:Soundofspeedより。

本名名義ということで、ある意味プライヴェートな内容。
かと言って習曲を蔵出しした訳でも、聴き手が付いて行けないくらいぶっ飛んだ内容でもない。いつも通りの、温くていい加減なルークワールド。
M-05以外、2008年から2009年にかけて出したアナログEP三枚より全て引っ張ってきている、編集盤のような収録曲構成もそれに輪をかけているような。
では何を以ってプライヴェートな内容なのか。
この名義はスモーキーなブレイクビーツを演ったり、大大大好きなアシッドハウスを演ったり、スティールギター奏者とコラボったり、モーグシンセ奏者に急接近したりと、非常に節操がない。ファイル音源だが、ラッパーを連れて来たりもしている。
つまりその時、一番演りたいコトをこの名義で展開しているから。

で、今回はヒップホップらしい、オールインストの。
とは言え、近年のヒップホップ界主流のバウンスビートでノリノリのトラックを彼が組むはずもなく(いや、諧謔的にいづれ演りそうな気がするんだけどなあ)、オールドスクールからミドルスクールを意識した創りになっている――
かと思いきや、そこはルーク。出て来た音はWAGON CHRIST名義とさほど変わらんだろうと。どうしようもなくヒップホップな部分は、それ系で頻繁に使われている声ネタ多用や、シンプルにゆったり刻まれたセオリー通りのブレイクビーツくらい。むしろMo'Waxから出た一枚目のコッチの方がヒップホップ流儀に法っている。
いくらオールドスクールっぽくヴォコーダー声を使おうが、今に始まったコトではないし。
だがココまで自分の色が出ていると、難癖よりも逆に清々しさを覚える。野球で言えば、球の軌道は明らかにスライダーじゃないっぽいのに、投げている本人が『スライダーの握りで投げてるからコレはスライダー』と言い切っているような。
おまけに『空振り取れたんだから文句ねえだろ』と。

そんなルーク投手、本作も〝零封はしないまでも、きちんとQS(先発投手が六イニングを三点以内にまとめること)を成し遂げ、悠々中継ぎ・抑えと交代。勝ちゲームをベンチで眺める〟ような内容を保っている。
その一方で、テーマを決めたら流れに沿いつつも、作風は一切ブレずに一作品を編み込める高い企画力もそろそろ評価すべきかと。トム、見習えよ?

M-01 Wow! It's Now!
M-02 Registrarse
M-03 Sparky Is A Retard
M-04 A Fine Line
M-05 My Style
M-06 Keep Calm And Carry On
M-07 Eleventy One
M-08 Rhythm
M-09 Concertina Turner
M-10 James Bond In A Jimmy Hat
M-11 Harmonica Sellers


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