2014年4月10日木曜日

RED SNAPPER 「Our Aim Is To Satisfy」


倫敦のアブストラクトスリーピース、2000年作の三枚目。

いつも通りと言えばいつも通り。
ドラムのリッチ・サイアーが、たまにターンテーブルで皿をピシュピシュこすっているが。ウッドベースのアリ・フレンドが、エレクトリックベースでスラップを披露しているが。ギターのデイヴ・エイヤーズのギターがあんま聴こえねーぞ、と思ったらキーボードの方に比重を置いてたりするが。ゲストの金管楽器がサックスではなくトロンボーンだったりするが。男声ゲストは前作同様MCデット(M-02、05、08)だが、女声はものすげー胸した二世シンガーのカリーム・ケンドラ(M-03、06)に替わったが。
あえて今までと目立って違う点を挙げるとするなら、より肉感的になった。ダンサブルになったやら。フロアユースになったやら。
それにより、吸い寄せられるようにマイナーチェンジをする個所も出て来る。

まずは高速ブレイクビーツ、人力ドラムンベースを止めてみた。だが元々はミッドテンポでのグルーヴ感が売りのバンドで、その手の曲はアルバムのアクセントに留めていたのだから、特にどうこう言われる筋合いがない。グルーヴ特化と考えよう。
次にシンガーやラッパーを〝音色〟と割り切るようになった。具体的に書けば、頭から尻尾まで意味のある歌詞を歌わせず、ワンフレーズを反復させたり切り張りしたりしている。サンプリング感を出してノリやすくした、と考えよう。
最後に今まで以上にデジデジしい部分も増えた。別に人力に固執している訳ではないので、その割合が若干減っても生っぽさを維持してさえいれば良い訳で。UKテクノ系最高峰のレーベルに所属しているのだから、この流れも致し方ないのかも知れない。

いろいろ差異を挙げてみたが、結論は冒頭の通り。そもそも音楽的土台が揺るぎないバンドなので、何を演っても許容範囲に収まる懐の深さがある。
またバンドとしての土台も、サイアーとフレンドの強力無比なリズムセクションが居れば問題など起こりようがない、安定感もある。
だから! エイヤーズ、頑張ろうよ……。もっと一枚目の時みたいに目立とうよ……。

M-01 Keeping Pigs Together
M-02 Some Kind Of Kink
M-03 Shellback
M-04 Don't Go Nowhere
M-05 The Rake
M-06 The Rough And The Quick
M-07 Bussing
M-08 I Stole Your Car
M-09 Alaska Street
M-10 Belladonna
M-11 They're Hanging Me Tonight


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