2012年11月16日金曜日

TRANS AM 「Futureworld」


あほやで!
たまに牙を剥くメリーランドの張り子狼、1999年作の四枚目はやはりThrill Jockey産。

まあ、へなちょこと熱血の狭間と言うか……いつも通りの分裂症路線。真顔で脱力系のジョークをのたまい、汗だくでも飄々と。
具体的に書けば、如何にも彼ららしい人力テクノのM-07もあれば、M-04のようなごりごりハードロッキンな曲も。M-06の何もかもが胡散臭いエレクトロモンド風も、M-09のような人力ミニマル路線もあり。締めのM-10ではじわじわと盛り上げていく、ダイナミックかつドラマチックな創りも。
そんな中、M-02、03、05、07で本作から正式にヴォーカルも披露。ただしヴォコーダーを噛ませているのはシャイと言うか、KRAFTWERKの遺伝子と言うか……。しかもM-02ではヴォコーダー越しのシャウトなる、世にも珍しい試みが。

さすが曲者、一筋縄ではいかぬわ。
ただ、生真面目に音楽に接するタイプの方とは、この音は相性が悪いかと思われる。何せ音楽性の焦点など、まるで定める気がないのだから。
そこを「みんなを戸惑わせるような言動(音楽性)は慎みなさい!」と口やかましく説教するよりも、「おまえ、あほやなー」と弄ってやった方が楽しい、と筆者は言いたい。
奇を衒い過ぎるくらい衒ってはいるが、音の解釈は至ってストレートなのは事実。ベタですらある人懐っこいフレーズを恥ずかしげもなく用いる、正に裏の裏を突いた音楽性が彼らのキモであり、聴いていて微笑ましくもなる要因なのだから。

さて、〝キモ〟ということは是、音世界の統一感を意味し、それは彼らならではの特色ということになるまいか?
ほらもう! こーゆう奴らなんだ、と許容してあげようよ。
いじいじ重箱の隅を突付くより、豪快にもう一重おかわりしようじゃないのさ。

M-01 1999
M-02 Television Eyes
M-03 Futureworld
M-04 City In Flames
M-05 Am Rhein
M-06 Cocaine Computer
M-07 Runners Standing Still
M-08 Futureworld II
M-09 Positron
M-10 Sad And Young

日本盤は:
M-11 Alec Empire Is A Nazi/Hippie
M-12 Am Rhein (Party Mix)
M-13 Woffen Shenter
M-14 Thriddle Giggit Dream
M-15 Ardorth Marketplace
:と、五曲もボートラがあるお得仕様――も、現在廃盤。しかも翌年発表の編集盤に収められたM-11と12以外はココでしか聴けない。
ただし、M-11のしょうもない曲タイトルを含め、どれも真顔でおちゃらけるジョーク曲の彩が強い。つまり、別にあってもなくても良い。


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