アイスランドの至宝、1999年作の二枚目。
この四人組の一般的な印象は『看板ヴォーカリスト:ヨンシーのファルセットヴォイスと静謐かつ幽玄な音像』かと思われる。確かに間違ってはいない。
ただ、それだけではない。良い意味でもあまりよろしくない意味でも。
はっきり言ってこのシンガー、この時点では下手だと思う。
とりあえずM-04で馬脚を露しているので、まずは聴いてみて欲しい。アシッド入りのサッカリンでドンギマったかのようなずるずる甘々で蕩け切った情けない歌声は、サビに近付けば更に失笑を誘うだらしなさ。その他の曲でもちょくちょく、地声の歌唱部分で怪しさ/妖しさを振り撒いている。
だが、それがいい。(ニヤッ
このへろへろ具合がバンドの裏の一面であるダルな部分とマッチして、良い湯加減となるのだ。M-05でドラムがハシるへなちょこぶりすら許せる。
要は当時のこのバンド、ヘタウマが魅力だったのだ! なんておそらく暴言扱いかと。
ならばどう言い換えて有耶無耶にするか。
これはもう、類稀なるセンスの高さを絶賛すべきだ。
ギターを弓で弾いて背景に絡まる長音を生み出したかと思えば、MOGWAIばりの白い轟音を撒き散らしたり。時折ジャズっぽいフレーズワークを織り込んだり。ストリングス起用はもちろん、ハーモニカのような意外な楽器や、さもありなんのフルートを使ってみたり。泣いたり拗ねたり甘えたり、
驚くほど手管が多彩過ぎて書き切れない。
まだまだ未熟ながらも、前述の〝一般的印象〟とは違う面が随所に転がってて楽しい。聴けば聴くほど味が出る、奥深い一枚。
M-01 Intro
M-02 Svefn-G-Englar
M-03 Staralfur
M-04 Flugufrelsarinn
M-05 Ny Batteri
M-06 Hjartao Hamast (Bamm Bamm Bamm)
M-07 Viorar Vel Til Loftarasa
M-08 Olsen Olsen
M-09 Agaetis Byrjun
M-10 Avalon
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