2013年5月16日木曜日

CHICAGO UNDERGROUND ORCHESTRA 「Playground」


全てはココから始まった。
シカゴのジャズ大将:ロブ・マズレクの加減算プロジェクト、1998年作品。地元の老舗ジャズレーベル・Delmark Recordsより。

この作品は本来、大将のソロアルバム扱いから始まっているのはジャケを見ての通り。
メンバーは大将(主にコルネット)、テイラー(ドラム)、パーカー(主にギター)の常連に、クリス・ロペス(ベース)、サラ・P・スミス(主にトロンボーン)のクインテット。
M-01ではTORTOISEのジョン・ハーンドンとダン・ビットニーがそれぞれコンゴとボンゴで参加。録音技師はそのTORTOISEを辞めたばかりのバンディ・K・ブラウン。
M-01はハービー・ハンコックの、M-04はデューク・エリントンのカヴァー。

――と、今回はやけに作品の背景説明が多いのにも訳がある。
はっきり申し上げて、書くコトがない! から。
本作は後の大将系列作品のように、打ち込みを織り交ぜたり、エキセントリックな曲調に足を踏み入れたり、音符を感性で置いていったりする逸脱行為のない、直球ど真ん中のジャズアルバムだ。
その一方で、自身の特徴的なコルネットのフレーズを立てつつ、他のパートの連中にもきちんとスポットライトを当てることで音世界の広がりを醸し出す、彼らしい立憲君主制のジャズアルバムだ。
まずコレを足掛かりにCHICAGO UNDERGROUND系だけでなく、マズレク大将作品を聴き進めていくのが無難かとは思うが、あまりに衒いのない創りのため、聴き手が近作の一筋縄ではいかない作風まで掘り続けてくれるかどうか疑問だ。

裏を返せば、ココで留まっても十分楽しい。
筆者は、アップテンポでスリリングなプレイの中、スミスかパーカーがリコーダー(縦笛)を闇雲に吹き散らすM-06が楽しくて仕方がない。蛇でも呼ぶつもりかよ、と。
要は、あんま頭使わず片意地張らず、ジャズ聴いてまったりしてーなー、なんて気分にうってつけのアルバム。

M-01 Blow Up
M-02 Flamingos Dancing On Luminescent Moonbeams
M-03 Boiled Over
M-04 Le Sucrier Velours
M-05 Components Changes
M-06 Playground
M-07 Jeff's New Idea
M-08 The Inner Soul Of H
M-09 Whitney
M-10 Ostinato



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