2011年8月16日火曜日

LIGHTNING BOLT 「Hypermagic Mountain」


アメリカ合衆国イチちっこい州・ロードアイランド出身、ギブソン(b)とチッペンデール(ds)のブライアン二匹によるはちゃめちゃデュオ、四枚目。2005年作品。

いい加減な音を信条としているバンドなので、まずはいい加減に音世界を説明すると、「あのギターウルフとコラボってるどころか、トリビュート盤にまで参加しちゃってるような人々」。おしまい。
いい加減なまま、もうちょっと噛み砕いて説明すると、「リミッターを自らぶっ壊して、走りたいように走り、鳴らしたいように鳴らし、暴れたいように暴れる野獣」。以上。
んー? えーと、こんなテキトーにこいつらを表していいのかなーァ?

メンバーが二匹しか居ないので、ギブソンの方のブライアンがコード弾きでブリブリに歪ませて主旋律を鳴らし、チッペンデールの方のブライアンが音の隙間を太鼓で埋めていく。ノンストップ暴走ブルドーザーで。
おまけに、ただでさえ忙しないビート刻んでいるのにヴォーカルというか声まで担当している。ただでさえ慌しいドラムというパートにヴォーカルを兼ねさせているだけで面倒臭いのに、その叩き出すビートが恐ろしく複雑――
かと思いきや、よーーーく聴いてみると、手数は多いが裏を取ったり崩したり刻み方を変えたりする変態プレイは出来るポテンシャルなのに控えめである。
それに気付くと、「あー、意外と理性的に音創ってるんだなー」と微笑ましくなる。

そういうトコロがギターウルフのようにロケンローバンドではなく、マスロックと呼ばれるポストロックのサブジャンルに押し込められる要因なんだな、と。
加えて爆走に次ぐ爆走! というイメージは強いが、M-05やM-11のようにインプロっぽいラリラリ感を醸し出したりする点も、まあさもありなんよね、っと。

けどこんな音を出してる連中に対して、ユーザーが冷静に一音一音を噛み締めて聴いているってのもなんだかあほみたいよね。
ライヴではなんと、ステージではなく観客側のど真ん中にドラムキットを設置するらしい。コレ、「俺らを中心におめーら暴れろォ!」と言ってるようなモンだよね。
そりゃもう、ノっとけと。
ただ、校内イチ屈強なヤンキーが、毎回カンニングもせず真面目に勉強までしてテストに臨んでるんだって知ると、何だかにこにこしちゃわない? ギャップ萌えみたいな。

M-01 2 Morro Morro Land
M-02 Captain Caveman
M-03 Birdy
M-04 Riffwraith
M-05 Megaghost
M-06 Magic Mountain
M-07 Dead Cowboy
M-08 Bizarro Zarro Land
M-09 Mohawkwindmill
M-10 Bizarro Bike
M-11 Infinity Farm
M-12 No Rest For The Obsessed


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