パンクス上がりの(色んな意味で)伝説のDJ、アンディ・ウェザオールとその相棒、キース・テニスウッドの極悪タッグ、2004年発表の四作目。Warpからは三作目。
よくニカ界隈のアーティストから「固定観念を持たれたくない」みたいな趣旨の発言を耳にする。それはそうだ。自ら足枷を望んでまでする創作活動など、彼らにとって何の益も見い出せないのだから。
ならば向こうもこっちに対し「どうぞ好き勝手に演ってください。つまらなかったら買いませんから」のスタンスを望んでいるのではなかろうか。だとすれば気難しい奴らだ。違うとすれば面倒臭い奴らだ。
2LSはそんな偏屈どもが集うこの界隈の中でも、輪をかけて節操がない。
アルバム毎に作風ががらりと変わる。EPやミニアルバムは多少アルバムの彩を引きずるが、アルバムを区切りとして以前の音をばっさりと切り捨てる。
もちろん流行に迎合などしない。むしろ逆行する勢い。
この気風の良さが彼らの持ち味だ。
さて今回は前回のアシッド色から数歩踏み出して、エレクトロである。ダッサいぞー!
しかもテニスウッドがギターとベースを弾き、四名ものゲストドラマーをとっかえひっかえして、何とウェザオールがヴォーカルを取り、荒くてやさぐれていて無愛想な上に数世代前の質感がするダッサいフレーズでポストパンク風(本作のダブ要素はココら辺から自然に湧き出してきたものだろう)なトコを加味している。
コレはもう、黒っぽい今更感と、白っぽい時代遅れ感のハイブリットだ。どう転んでもオサレでクールなモノになり得ない。
だがちょっと待て。
ダサいがどうした? あえて流行に逆行しているんだからダサくもなろう。つか、みんながこぞって追い掛ける流行りモン、それってほんとにカッコイイのかい?
――そうニヒルに語り掛けてくるような、メーター振り切ったダサさ、痺れないか?
こういうのを本質的にカッコイイって言うんだぜ。
M-01 Stack Up
M-02 Faux
M-03 Formica Fuego
M-04 The Lurch
M-05 Sex Beat
M-06 Damp
M-07 Punches And Knives
M-08 The Valves
M-09 Kamanda's Response
M-10 Sick When We Kiss
M-11 Taste Of Our Flames
M-12 Driving With My Gears In Reverse
M-13 Roof 1 (Bonus Track For Japan)
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