FOUR TETのキエラン・ヘブデンとADEMのアーデム・イルハンの母体である3ピースポストロックバンド、1999年作の三枚目。
オリジナル盤はDAVID HOLMESやPORTISHEADなどが所属した(当時)PolyGram系列のGo! Beatからのリリースだが、2002年に(現在のUS盤配給先でもある)Temporary Residenceより再発された。
ココ、重要。
彼ら――と言うかポストロック連中は、打ち込みやスタジオ編集を駆使しつつもあくまで人力に拘った音楽、なのがパブリックイメージだ。緻密で音至上主義の職人肌集団だ。
本作はそれに沿いつつも、サム・ジェファーズの叩き出すビートを中心に荒々しさも醸し出している。イルハンのベースも印象的なフレーズを響かせている。
だがやはりキーは曲者・ヘブデンの突飛な音色使いにある。誰もが使い古した音色を思いがけない鳴らし方で生成したかと思えば、誰も使わないような音色を巧くスパイスとして引き立たせたりもする。M-06のように、スネアをワンヒット毎で左右に振り分けるような小癪な卓使いなど彼の真骨頂である。
ただし、コレを前面に押し出せば「FOUR TETで演れよ……」てなコトになるし、小出しにすればアクがなくて物足りなくなる。
その匙加減が絶妙なのが次作「Happiness」ではなく本作だと、筆者は思う。
なぜなら筆者は「Happiness」よりこっちの方が好きだから――だけではなく、バンドサウンドとしてきちんと成り立っている上に緻密な編集作業の賜物も味わえる、良いトコ取りアルバムだから。
その上、再発盤は凄い。
気合も入るメジャー移籍第一弾EP(M-01とM-02)に、シングルカットされたDisk-1のM-04より四種のリミックス(M-03からM-06まで)に加え、多分コレが初出の、HERBERT(M-07)とPATRICK PULSINGER(M-08)によるリミックスまで収められたおまけディスクが付く超お得仕様。
この手のおまけディスク商法は、得てしてオリジナル盤の音世界から剥離した別物を添えて蛇足感を印象付ける改悪だったりする(日本盤のボートラも同様だ!)のだが、もうコレ、「Re-Eph」と題され別売りされてもおかしくないクォリティではないか。
気合も入るメジャー移籍第一弾EP(M-01とM-02)に、シングルカットされたDisk-1のM-04より四種のリミックス(M-03からM-06まで)に加え、多分コレが初出の、HERBERT(M-07)とPATRICK PULSINGER(M-08)によるリミックスまで収められたおまけディスクが付く超お得仕様。
この手のおまけディスク商法は、得てしてオリジナル盤の音世界から剥離した別物を添えて蛇足感を印象付ける改悪だったりする(日本盤のボートラも同様だ!)のだが、もうコレ、「Re-Eph」と題され別売りされてもおかしくないクォリティではないか。
ココまで充実したリイシュー盤が店頭に並ぶのも、レーベルの尽力とアーティストの協力あってこそ。ありがたやありがたや。
以上を踏まえて、個人的に本作はFRIDGEの傑作。
異論は認めるが、当方は絶対に譲らないからな!
Disk-1
M-01 Ark
M-02 Meum
M-03 Transience
M-04 Of
M-05 Tuum
M-06 Bad Ischl
M-07 Yttrium
M-08 Aphelion
Disk-2
M-01 Kinoshita
M-02 Terasaka
M-03 Version
M-04 Remix
M-05 Edit
M-06 Dub
M-07 Ark (Herbert's Fully Flooded Mix)
M-08 Bad Ischl (Springverb Remix)
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