2012年2月16日木曜日

CAUSTIC WINDOW 「Compilation」


ご存知リチャDの、数ある変名の中でもぼちぼち知名度が高い方のコンピ盤。1998年発表は、自己レーベルRephlex Recordsより。

まずは収録曲の詳細から。
全てレコードのみでRephlexより発表された1992年作「Joyrex J4」から六曲中五曲(M-01~05)、同年「Joyrex J5」から四曲中三曲(M-06~08)、翌年1993年作「Joyrex J9」から四曲全て(M-09~12)を、すらっと並べた58分15秒。
言うなればリチャ活動初期の音源を、そろそろ音楽活動に飽き始めた頃に掘り起こした、怠惰な一枚である。
間余っているのに、何でたった三分台の曲を二つくらい収められないのさ?』という疑問は後述。

『飽き始めた』やら『怠惰』やら酷いコトを書いているが、元々の音源はリチャがバッリバリ演る気になっていた頃のモノ。クォリティは推して量るべし。
もちろんかのリチャDサマの御作品。『名義が違えば創りも違う』なんて小器用な考えなど毛頭ナシ。M-13なんて他名義の曲を平気でこっちに持って来れる鉄面皮ぶりを発揮。いや、M-07こそ向こうに入ってそうな曲調だし。

『俺を型にはめる型を型にはめてやる!』と言わんばかりの俺節貫徹。

強いて他名義との違いを挙げるとするならば、ビートが極端に前のめりだったり。上モノがメロディ度外視で、普段にも増して荒れ狂ってたり。ところどころ構成が幼稚だったり。
『安っぽい創りによる荒っぽい音世界』とでも表すべきか。
チープな素材を巧く輝かせるには、制限を壊すか生かすかするのが定石。
前者のように音割れやバランスを気にせず、勢いがままにトラックを聴き手に投げつけるか――当コンピはその方針で編んだものと思われる。
後者のようにチープな音色をチープなまま差し出して聴き手の苦笑や和みを引き出す、文明社会を逆手に取った方法か――当コンピから除外された二曲は、その方向性で創られた曲だったりする。

ああ見えてリチャはリチャなりに考えているらしい。嘘のような本当かも知れない話。

M-01 Joyrex J4
M-02 AFX 114
M-03 Cordialatron
M-04 Italic Eyeball
M-05 Pigeon Street
M-06 Astroblaster
M-07 On The Romance Tip
M-08 Joyrex J5
M-09 Fantasia
M-10 Humanoid Must Not Escape
M-11 Clayhill Dub
M-12 The Garden Of Linmiri
M-13 We Are The Music Makers (Hardcore Mix)


0 件のコメント:

コメントを投稿