2012年9月24日月曜日

TO ROCOCO ROT 「Speculation」


ドイツのベルリン出身、ロナルドとロベルトのリポック兄弟とシュテファン・シュナイダーからなるミニマルユニット、単独名義としては六枚目。2010年作。
お気付きの通り、ユニット名は回文。

生音の質感をきちっと残しつつ、卓加工で折り目正しく表現するのが彼ら式ミニマル術。それを「同じコトを一生掘り下げても飽きない連中」なドイツ人が演ったとなると……嗚呼、反復魔境音楽・クラウトロックのにほひが……!
でも! それほど難解ではなかったりする。むしろ上っ面のみを攫えば案外平易なテクスチャをしているモンですって。
気を衒わず、すっとんすっとんとシンプルなビート。信号機のように規則的な鳴りでトラックを案内するベースライン。シンセやオルガンやピアノやギターなどを音色として加工し、使い目を絞り、絶妙な配置で刷り込んでくる上モノ――
シンプルだからこそ頭の中をからっぽにして、ほけーっと聴いていられる音楽廃人製造音楽

ただし今回! 上記のような音世界から更にワンステップ。

シュナイダーが鳴らすベースのフレーズがやけに立っている。さしづめ、人ごみから紅白ストライプのメガネ野郎を探すくらい。
「いつもより僅かに」とか、「聴き続ければいつの間にやら」などという意味ではない。着目点がある、というコトが重要。コレに釣られて聴けば、より頭を使わず音のありのままを肌で感じやすくなる寸法だ。
ほら、もうコレ、聴き手の判断力を奪う魔の音楽でしょうよ!
あな恐ろしや。

これぞ音楽魔境、クラウトロック末裔の呪術よ。
ちなみに本作はあのFAUSTのメンバー、ハンス・ヨアキム・イルムラーが所有するFaust Studiosで録音され、M-11ではイルムラーがオルガンでゲスト参加している。
なるほど。

M-01 Away
M-02 Seele
M-03 Horses
M-04 Forwardness
M-05 No Way To Prepare
M-06 Working Against Time
M-07 Place It
M-08 Ship
M-09 Bells
M-10 Fridays


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