MASSIVE ATTACKのエンジニアを務めていた(らしい。向こうの音源には一切クレジットされていない)コリン・ディングリーとアンディ・ジェンクスのプロデューサーデュオ、2003年作・三枚目。
元々はMASSIVE運営のMelankolic所属だったが、本作から
一枚目、二枚目に引き続き起用のウェンディ・スタッブス、マーティン・バーナード、ヘレン・ホワイトの準メンバー三名に、後にTHE HEAVYを結成するケルヴィン・スウェイビーを加えた四シンガー体制で臨む歌モノアブストラクト。
その内訳は、ウィスパーヴォイス気味のスタッブスがM-02、09、12。物憂げで甘い男声のバーナードがM-03、07、14。線が細くて情感豊かなホワイトがM-04、08、13。黒っぽくて艶のある声色のスウェイビーがM-05、10。
ご覧の通りイントロのM-01を経て、お披露目のように登場シンガーを順に並べた後、一旦M-06のインストを挿むことで一段落置く几帳面な曲配置からして、コンポーザー二人の丁寧な仕事ぶりが分かろうものだ。
その几帳面なまでの丁寧さを生かした、ブリストルミュージックならではのダウナー感を伴うしっとり静謐な音世界を貫き通すのが彼らの流儀。
ほのかにジャジーで、何となくフィルムスコアちっくな、大人の音楽だ。
ブリストル界隈から三名のインスト奏者を誘っているが、基本的に全ての楽器をディングリーとジェンクスで賄っている自家発電の生音仕様(無論、打ち込みビートを敷いた曲もあり)。
また、予算の都合でストリングスやホーンは彼らで組んだ模擬音が使われているが、借り物の安さを微塵にも感じさせないその手腕、如何にもどいつもこいつも老練なMASSIVE人脈ならでは。デビュー前に録音技師として、全く畑違いのバンドを手掛けることで養った応用力もあるかも知れない。
ただもう、この形でのALPHAは演り切った感が強い。本人たちも何となく自覚しているようではある。
それでも袋小路化や出し殻化せず、常に一定以上の水準を保てる職人気質はもっと賞賛されるべきなんだが、些か地味なんだよね、存在感が……。
M-01 Sleepdust
M-02 Once Round Town
M-03 Lipstick From The Asylum
M-04 A Perfect End
M-05 Elvis
M-06 As Far As You Can
M-07 Saturn In Rain
M-08 Waiting
M-09 Silver Light
M-10 I Just Wanna Make You
M-11 Vers Toi
M-12 Double View
M-13 Blue Autumn
M-14 Portable Living Room
M-15 The Sun (Bonus Track For Japan)
M-16 Lost (Bonus Track For Japan)
日本盤のボートラは上記の通りだが、米盤はM-03に〝The Things You Might〟が割り込み、〝Lipstick From The Asylum〟がM-04へ。〝A Perfect End〟がラストのM-15へ移る、良く分からない仕様。
ノークレジットだが日本盤のM-15で歌っているの、MASSIVEのダディGでは?
ノークレジットだが日本盤のM-15で歌っているの、MASSIVEのダディGでは?
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