2011年12月26日月曜日

PYRAMIDS 「Pyramids」


後にレーベルオーナーの妻が加入する変態系ハードコアバンドの初作品は、リミックスアルバム(Disk-2)付きのお得仕様。2008年作。当時は四人組。
当ブログで筆者が意図せずちょぼちょぼと名前の出る、アーロン・ターナー(元ISIS)運営のHydra Head Recordsより。

もう、はっきり書かせていただきますとね、こんなあざとくて、自己陶酔的で、薄汚いアート志向の透けて見えるバンドもそうそう居ない。
音楽を演る上でそれらの要素はギミック、ナルシスティック、アーティスティックと、必要悪の存在として大きく横たわっているので、ケチをつけてもどうしようもない。
ただねえ……アルバム全体に漂う「コレが芸術ですっ(キリッ」と言わんばかりの空気、どうにかならんモンかと。
コレらが鼻につくタイプの聴き手には、全く受け付けないバンドだろう。

だが彼ら、各音色とテクスチャの意図が清々しいまでに明快である。
具体例を用いて音世界を説明すれば、「ケヴィン・シールズが加入したブラックメタルバンドをブライアン・ウィルソンがプロデュースしている」。コレで事足りる。
もう少し掘り下げれば、「高速ベタ踏みキックの周囲に、メランコリックなギターノイズを遠巻きに侍らせ、アヘった、デスった、フェミった各種歌声を頭上から降らせる」サウンド。
もうこの時点で「ぼくしかしらないひみつのかっこいいばんど」臭に息が詰まりそうだが、実際コレら滅茶苦茶な音楽性をミックスし、きちっと〝作品〟として成り立たせてみろ、と言われても凡百のミュージシャンには無理だ。
この微妙な匙加減を知り、堂々と演り切っているその類稀なる胆力? 爆発力? いや、構成力? いやいや企画力? を評価すべきかと。
しかもDisk-2のM-03で、ジャスティン・ブロードリックの手により、彼らの「感傷的で耽美的な風を吹かせる似非アート主義者」という化けの皮本質が剥き出しにされているのである。たった一枚目にして。(そのくらいこのリミックスは秀逸だ)

何だかこき下ろしているんだか絶賛しているんだか分からないかんそうぶんになってしまったが、そのくらい個性の強いバンド。
ただし、一枚目にして底割れするお里の知れた連中なので、今後どう化けるかが鍵。筆者はにやにやしながら今後、その動向をヲチろうと思う。
愛い奴らよの。

Disk-1
M-01 Sleds
M-02 Igloo
M-03 The Echo Of Something Lovely
M-04 End Resolve
M-05 Hellmonk
M-06 This House Is Like Any Other World
M-07 Hillary
M-08 Ghost
M-09 Monks
M-10 1,2,3
Disk-2
M-01 The Echo Of Something Lovely (Toby Driver/Ted Parsons/Colin Marston)
M-02 1,2,3 (James Plotkin)
M-03 The Echo Of Something Lovely (Jesu)
M-04 Sleds (loveliescrushing)
M-05 Ghost (Birchville Cat Motel)
M-06 Sleds (Blut Aus Nord)
M-07 The Echo Of Something Lovely (James Plotkin)
M-08 Sleds (Ted Scarlett)
M-09 The Echo Of Something Lovely (loveliescrushing)


0 件のコメント:

コメントを投稿