2011年12月28日水曜日

THE CHICAGO UNDERGROUND TRIO 「Flamethrower」


当ブログではすっかりお馴染み(だよね?)のジャズ大将、ロブ・マズレクによる変則プロジェクト、2000年作品。前回『曲者』と書いたトリオ編成では二枚目。
レーベルはいつものトコ……ではなく、地元シカゴで創業1953年よりの老舗ジャズレーベルDelmark Records

さあ、注目すべき点はメンバーの数。ジャケをご覧あれ。
リーダーのマズレク(コルネット)。大将ですから! 彼が居ないと始まらない。
DUOでも行動を共にするチャド・テイラー(ドラム)。ほぼ大将の相方状態。
BROKEBACKでも活躍するノエル・クーパースミス(ベース)。赤シャツ。
現TORTOISEで大将のプロジェクト常連であるジェフ・パーカー(ギター)。黒ぶちメガネ。
……あれ? トリオだ、よ、ね?

そこで大将の詭弁が始まる。
「同時に四人鳴ってませんからー! だからトリオなの! 一粒で何度も美味しいの!」
テイラーのビートにクーパースミスが併せ、大将が乗っている時はパーカーはミュート。そこへパーカーが割り入った時は大将がミュートするか、クーパースミスかテイラーが引いて大将とパーカー、主音同士の鍔迫り合いを傍観するか。
これにより、トリオだから三人という既成概念をぶち壊し、制約を課すことによって曲単位でどう動くのか、抜き差しならぬ緊張感を醸し出す目論見だったのであろう。
確かにその効果はある。鳴っている音を脳内で把握しながら「あ、変わった。また変わった」と聴くのも楽しいモンだ。

でも頭使って音楽聴くの、疲れるじゃない。

だからいつも、そんなマズレク大将の画策した小細工をハナから無視して、筆者はだらーっと本作を聴いている。
Delmarkだからか、いつもよりジャズっぽさが強めだと思う。そんな中、パーカーが突如フリーキーなギターフレーズを織り込んだり、大将がオーヴァーダブでコルネット三重奏を演じるなど聴き逃せないツボも。

まあ、大将作品は相変わらず、大将ならではの気持ち良い音をくれるんです。

M-01 Quail
M-02 Fahrenheit 451
M-03 Warm Marsh
M-04 Antiquity
M-05 Flamethrower
M-06 Woman In Motion
M-07 Triceptikon
M-08 A Lesson Earned
M-09 Arcweld
M-10 Elroy
M-11 Number 19
M-12 504
M-13 The Tungflec Treaty
M-14 The World Has Changed
M-15 Elray


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