おおゥ、素敵ジャケ……!
THE SEA AND CAKEの(奇しくも)ベーシスト、エリック・クラリッジ画伯によるアートワークが秀逸な、ツインベースデュオの2002年作・二枚目。
メンバーはまず、現TORTOISEで他にELEVENTH DREAM DAYやPULLMANなどを平行して稼動させている六弦ベーシスト、ダグラス・マッカム。元々、この人のソロプロジェクトとして当ユニットは活動を開始した。
相方は、前音源から正式参加のノエル・クーパースミス。CHICAGO UNDERGROUND系でいぶし銀の活躍を見せるダブルベース使いだ。
レーベルは例のトコで、録音技師はいつものマッケンさんがいつもの自分のトコで。
音色は違えど、ベース二本という画期的な編成による制約と、二人の高濃度な人脈を踏まえれば「ゲスト参加者が超豪華!」となるのが筋。
いちいち詳細を記していたらきりがないので簡単に。マッケンさんや〝大将〟はもちろん、大将の相方(つまりクーパースミスの同僚)やSTEREOLABの歌い手両名、竹村延和が主宰するChildisc所属の日本人シンガーソングライター(米盤ではThrill Jockey所属)と、まあよくココまで集まったなと言わんばかりの面子がずらり。
だが彼らはあくまで脇役。装飾音として曲に貢献する、分を弁えたプレイはさすが辣腕ども。ポストロックはバランス感覚が命です。
さて、肝心のベーシスト二人なのだが……ご想像通りマッカムの弾くTORTOISEの代名詞・西部劇ちっくなベースラインを主音に、ダブルベースらしい芳醇な音色でクーパースミスが付かず離れずボトムを支える――コレが基本線。クーパースミスが曲によってボウ奏法をしている点が、個人的には美味しい。
だが二人、さほどベースという楽器に頓着しておらず、クーパースミスは卓弄りに余念がなかったり、マッカムがM-04やM-05でギターを持ち出し、ツインベース編成に唾するような行動も。これはもう、全て二人だけでアルバムを賄えてしまうのでは。
いやいや「音色を機能的に扱う」ことに長けた連中が集うこの界隈。たった二人で演るなら演るなりのメソッドで、大勢集めるのならそれらを生かした音創りになる。
音色が多いに越したことがない。それが名の知れたプレイヤーから出されるのなら願ってもない。それらを売りにするつもりはない。それらの持ち味を殺すほど愚かでもない。
シカゴの音キチたちはこうして音を日々、研鑽していくのだ。
M-01 From The Black Current
M-02 Lupé
M-03 Name's Winston, Friends Call Me James
M-04 Everywhere Down Here
M-05 In The Reeds
M-06 50 Guitars
M-08 The Wind-Up Bird
M-09 Pearl's Dream
M-10 Noel 1 (Bonus Track For Japan)
M-11 Doug (Bonus Track For Japan)
このアルバム以降、音源出してないのが寂しいかぎりです。
返信削除1stを先月ころ300円で回収しました。
シンプルで削ぎ落とされた、暖かみのあるマッカムの弾く単音。。
1stはもっと素朴な出来なんだよね。夕暮れ時にぼーっと聴いてると滅茶苦茶気持ち良い。
返信削除はっきり言って11DDとか演んなくていいから、こっち動かせよマッカムよォ! と言いたいよ俺も。