アメリカはノースカロライナ州出身のトラヴィス・スチュアート(a.k.a.MACHINE DRUM)による別名義、2006年作品。
レーベルは今は亡きフロリダのMerch Records。
その名の通りマシーナリーな創りのMACHINE DRUMとはうって変わった、生音利用のブレイクビーツエレクトロニカ。つまり、自身を含めた七名のプレイヤーが奏でた音をスチュアートが卓で統括し、電子音を鏤めていく演り方だ。
その音色はドラムはもちろん、ヴァイオリン、トランペット、ギター、シンセ、ヴィブラフォンとグロッケンシュピール(いずれも鉄琴系)、ピアノと多岐に分かれている。
中でも特筆すべき音色は……何とドラムだ。
おそらく過度の編集を加えているのだろうが、むず痒くなるほど絶妙なタイム感で刻まれるビートは耳を惹き付けて止まない。M-04のようなビートを前面に出して、普通なら主音に立てるべき音色を奥に引っ込ませる逆転発想のトラックを組みたくもなろう冴えぶりだ。
またM-11はFOUR TET、M-09はヴィブラフォンのせいでTORTOISEっぽいのだが、ビートの組み方が独特なお陰で、異質な響きとなっている。M-06などもドラムンベースちっくなのだが、やはりシンバルパターンの趣深さで、借り物の空気から逃れることに成功している。
カッコ良いビートは正義!
ビートビートと喧しいが、やはり上モノに生音を用いるのは耳に心地良い。
「打ち込みは人間味を感じない」とかトンチキなコトを抜かすあほは捨て置いて、生々しさを出したいのならこれ以上の手段もあるまい。
打ち込み偏重はMACHINE DRUMで、生音折衷はこちらのほぼ本名名義で平行して活動してくれれば嬉しいのだけどねえ……コレ以降こっち、音沙汰なしかよ!
M-01 That Love
M-02 I Owe You Not
M-03 This Year Kindergarten Starts At 10PM
M-04 No Fun King
M-05 Taci 2:33
M-06 My Trip To Jekyll Island
M-07 I Waited Til Morning And Everything Was Fine
M-08 Camp Lejune
M-09 Become Another Eagle Returning To Korea '34
M-10 A World Generated Every Answer Ever For All To Know
M-11 Jess
M-12 Living Exponentially
0 件のコメント:
コメントを投稿