ポーランドはヴロツワフ出身のDJデュオがNinjaに殴り込み!
2004年デビュー作。
端的に音世界を書くと、Ninja Tuneお得意のジャズ+ブレイクビーツ。
ジャズをソースに、ブレイクビーツへ更に何を持ち込むか――その選択肢と匙加減を最重要課題として、当時のNinja連中は扱っていたように思える。
そこで彼らの場合、そろそろカビの生えそうな60年代ジャズを、盤面の埃を払って差し出してきた。この方法論はシネオケやCLIFFORD GILBERTOあたりが演ってきた選択肢と被るのだが、ボトムラインはもちろん、上モノ使いのセンスが何となく違う。個人差だけではない、本質的な何か――
コレがポーリッシュ・ジャズなのかと! 弱った、初めて聞いたよマジで……。
何の気なしに耳にすれば、普通の古臭いジャズのように聴こえる。針飛びのグリッチがそれを助長させる。
だがやはり、どうしようもなく二十一世紀の音だ。レトロちっくな音世界を乱さない程度にクリアな音質。生演奏を巧く模したループ感。ここぞとばかりに効果的なサンプリングの挿入――特に女性スキャット(のサンプリング)をフィーチャーして組まれたM-02はキラートラックとしてアルバム中、燦然と輝いている。(ギターのカッティングがこれまた可愛いんだよなあ)
こう言った〝古くて新しい〟感覚こそ音楽界ではなくてはならないモノで、巧く使い回せば永遠の時を刻むことが出来る。
音楽技法も、我々の刻む時も。
『古き良き音楽を聴けば済むじゃない』と仰る方も居やがるかも知れないが、それでは音楽は前に進まない。
過去の遺産を踏まえて、現代に翻案する――実に素晴らしい。そこにお国の伝統を今に伝えたいという意思があるのなら、実に美しい。
それで置いて行かれた奴らは知らん。過去に生きる選択肢だってある。
M-01 High
M-02 Not Too Bad
M-03 1958
M-04 Together
M-05 So Far
M-06 Break In
M-07 Quiz
M-08 Asphodel
M-09 Theme From Behind The Curtain
M-10 Sculpture
日本盤も出ているが、ボートラとか特典とかないのでお好みに合わせて。
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