英国はブリストル出身のデイヴ・ピアースによるソロプロジェクト、2000年発表の四枚目はシカゴの大手ポストロックレーベルDrag Cityから。
ちなみに二枚目発表後に切った編集盤「Chorus」をもって、デビューから続いたレイチェル・ブルックとのデュオ編成を解消している。また、ブリストルとは言えどこちらの連中とは何の絡みもない。
さて、一言で音世界を語れば〝シューゲイザー〟。まずはギターのフィードバックノイズと、ピアースの男声ウィスパーヴォイスありき。そこからあれこれ音を弄っていくポストロック的な手法を執っている。
だからという訳ではないが、本作は音の幅が広い。
M-02、04のようにピアースによる弾き語りもあれば、M-05のようにインダストリアルちっくな曲もある。M-07、10のようにドラムンベースっぽいのもあれば、M-08のようにUKロックバンドが演りがちなダンサブルビートを取り込む曲もある。
もちろん今まで通りの轟音たちこめる曲もある。ドローンノイズで明け(M-01)、ハーシュノイズで暮れる(M-11)アルバム展開は様式美ですらある。
だが上で挙げたトラックを参照すれば何となく察せられる通り、本作から醸し出される〝音の幅〟はおしなべてビートに頼る部分が大きい。
そのビートを組んでいるのはピアースだけではない。ロッカーなる同郷のDJがM-05、07、08、09、10に参加し、M-05とM-10では曲創りにも手を貸している点に着目。
ここから憶測を重ねれば、本作はロッカーとか抜かすびっくりするほどダサい芸名のおっさん(〝105歳〟ってコラ、嘘吐くなーっ!)の影響が濃いアルバムなのかも知れない。
あ、そうそう。〝ダサい〟と言えば本作、今聴けば多少……そこはかとないダサさを感じなくもないけどォ……以前から『シューゲイザーは進化を止めた音楽』と書いている通りのジャンルだし、さほど気にはならないはず!
みんながこの〝そこはかとないダサさ〟も味と思ってくれれば今後、シューゲイザーは〝音楽界のカブトガニ〟化してくれるはず! 絶滅させちゃダメなんだ!
M-01 Space (1999)
M-02 Suncatcher
M-03 Islands
M-04 Tides
M-05 Chemicals
M-06 Dark Wind
M-07 Winter Song
M-08 River
M-09 Dust
M-10 Rise
M-11 Star City
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