スコットランドの誉れ、2008年作・六枚目。
ハナっからふざけたタイトルの曲で始まるが、曲調は至って真面目。静謐で叙情的な面と、扇動的な轟音が曲毎に入れ替わる作風に変わりはない。
M-02のようにスラッジコア然とした荒々しさも、定評のあるダイナミックなリズム隊も相俟って、気高き鷹の如く堂々たる迫力だ。
中でも白眉はM-05。
一聴、さまざまな柔らかい音色が煌びやかに散りばめられたMOGWAI風ポップ曲だが、サンプリングで取り込んだような装飾音っぽいギターの音色が音空間のあちこちで場所を移動しながら鳴る仕組み。次第にこのどこから鳴るか予測出来ない装飾音を、脳内のお花畑ではためくモンシロチョウに見立て、耳が追っている始末。
それがまた甘美。
ただしそれ以後、割と静謐な――ややもすると大人しい曲が続くので、尻すぼみで地味なアルバム扱いを受けてしまうかも知れない。
いやいやいや、そんな浅いアルバムではない。ハナっからふざけたタイトルの曲で始まるが、曲調は至って真面目。静謐で叙情的な面と、扇動的な轟音が曲毎に入れ替わる作風に変わりはない。
M-02のようにスラッジコア然とした荒々しさも、定評のあるダイナミックなリズム隊も相俟って、気高き鷹の如く堂々たる迫力だ。
中でも白眉はM-05。
一聴、さまざまな柔らかい音色が煌びやかに散りばめられたMOGWAI風ポップ曲だが、サンプリングで取り込んだような装飾音っぽいギターの音色が音空間のあちこちで場所を移動しながら鳴る仕組み。次第にこのどこから鳴るか予測出来ない装飾音を、脳内のお花畑ではためくモンシロチョウに見立て、耳が追っている始末。
それがまた甘美。
ただしそれ以後、割と静謐な――ややもすると大人しい曲が続くので、尻すぼみで地味なアルバム扱いを受けてしまうかも知れない。
哀の感情を押し殺したような演奏へ一点、その内なる激情を表した轟音ギターが貫くM-08(凄い自虐タイトルだよね……)。アルバムの締めに相応しい、じっくりと時間を掛けてMOGWAIがMOGWAIたる所以を聴き手に教示するM-10など、レコードでB面にあたる曲にも抜かりはない。きちんと耳を傾ければ相応の愉しみが得られる、地味な佳曲が並ぶ。
全体的に総決算っぽい雰囲気は漂うが、コレでグランドフィナーレではない! と、意気の良い一音一音が毅然と物語っている。
揺るぎない己の音があるからこそ、自信を持って一音一音を堂々と鳴らせるのだし、六枚目というベテランと呼ぶに相応しい枚数を重ねられるのだろう。
彼らがダメなベテランにありがちな〝終わったバンドの妥協の産物〟をひり出す時期はまだまだ先だ。もしそう落ちぶれた時、きっとすぱっと解散してくれるんだろうな。
M-01 I'm Jim Morrison, I'm Dead
M-02 Batcat
M-03 Danphe And The Brain
M-04 Local Authority
M-05 The Sun Smells Too Loud
M-06 Kings Meadow
M-07 I Love You, I'm Going To Blow Up Your School
M-08 Scotland's Shame
M-09 Thank You Space Expert
M-10 The Precipice
M-11 Dracula Family (*)
M-12 Stupid Prick Gets Chased By The Police And Loses His Slut Girlfriend (*)
M-13 Devil Rides (*)
(*)は日本のみのボーナストラック。M-12とM-13は「Batcat EP」より。
なお、作中唯一のヴォーカル曲・M-13では何と何と! あの伝説のサイケロックバンド・THE 13th FLOOR ELEVATORSのロッキー・エリクソンが歌っている。
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