2011年5月12日木曜日

CLIFFORD GILBERTO 「I Was Young And I Needed The Money!」


1998年作。
正確には〝THE CLIFFORD GIRBERTO RHYTHM COMBINATION〟がソロユニット名。

のっけから身も蓋もないことを書いてしまえば、SQUAREPUSHERのフォロワー。
自らベースを弾き、ジャジーなトラックに高速ブレイクビーツを噛ませるといった方法論は、タッチの差で1996年、トムの野郎が先に確立させている。
ただ、個人的にクリフォード(本名:フローリアン・シュミット)の方が楽曲の出来の平均値も、焦点の絞り方も、大衆性も(要らぬお世話だが人間性も)上のように思える。
トムは考え方が〝固定観念を持たれたくない〟ニカ人格そのままで、あれこれ迷走しては作品を乱発し、その気ムラっぷりを露わにしてきた。作品の統合性は本人のキャラが担っているのではないかと思えるほど、いろんな意味で散漫なクリエイターである。
果たしてクリフォードが音楽クリエイターとして本腰を入れていたら、どんな活動経歴を辿っていたのだろうか。

非常に残念なことに、彼の作品はこれ一枚きりである。
行き詰ったのか、飄々とした発言から察するに元からそれほど音楽活動に関心がない無頓着な気質なのかは分からない。
ただ、これほどの作品を、ガールフレンドの強い勧めで『試しに』Ninja Tuneレーベルへとデモを送ったものの、色よい返事は『まるで期待していなかった』人間が創ってしまうのだから、憎らしいやら羨ましいやら凄いやら。

セピア色に褪せたジャズを下敷きに、スウィングもフリーもフュージョンも何でもござれの、良い意味でイッチョカミな作風が最大の特徴。
ビートは軽快かつ抜けの良い音像で、時には渋く、時には荒っぽく構成する。本人は『ガバ・ジャズとでも呼んでくれ』と発言しているが、素直にコーンウォール一派が得意としていたドラムンベースの変種・ドリルンベースの枠に押し込め――てしまえば楽なのだが、ジャジーな空気が立っているため、あまりエレクトロニカの匂いがしない。
そこが同じクラブカルチャーの住人でも、テクノ系とブレイクビーツ系――WarpとNinjaの違いなのかも知れない。

最後に、ジルベルト――いやシュミット氏は現在、ロンドンでマルチメディア系統のデザイナーをしているそうだ。
音楽戻って来てよ。

M-01 Restless
M-02 Deliver The Weird
M-03 I Wish I Was A Motown Star
M-04 Ms. Looney's Last Embrace
M-05 A Different Forres
M-06 Soulbath
M-07 Kuia World
M-08 Skippy's First Samba Lesson
M-09 Earth Vs Me
M-10 Gaint Jumps
M-11 Concrete Cats
M-12 Brasilia Freestyle
M-13 I Was Young And I Needed The Money!
M-14 Ridiculo

日本盤は先行EP「Deliver The Weird!」より:
M-15 Old Dog New Tricks Pt2
M-16 Do It Now Worry About Later
M-17 Mad Filla
:を追加収録。
洩れた残り「Deliver~」収録2曲はランタイムの都合上オミット。


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