2011年5月14日土曜日

SQUAREPUSHER 「Hard Normal Daddy」


1997年作の二枚目。

このトム・ジェンキンソンという男はすぐくよくよして、自らに向けられた批判の上に言い訳を塗り込めるような面倒臭い人間である。
その証拠はミニアルバム扱いの「Do You Know Squarepusher?」のインナーで自ら記したライナーノーツとやらにとうとうと述べられているので、興味があればぜひ。
このように非常に打たれ弱いトムくん、この頃は外野の野次などなかった。『テクノ界に超新星、現る!』といった具合に誰もが彼を賞賛した。
だから調子に乗ったのか、もともと作曲の調子が良かったのかは分からないが、怒涛の如く作品を連発。そのどれもが高品質だったので、誰もが彼を〝天才〟と礼賛した。

それが良かったのか悪かったのかは分からない。ただ、当時二十歳そこそこのぽっと出の青年にしては過剰な期待度ではあった。
ま、その後は……明言避けますわー。

本作はスクプのキモである、フュージョンっぽいウワモノに〝ドリルンベース〟と呼ばれるドラムンベースの亜種(と言うかパロディに近い)を重ねた、(当時は)トムでしか思いつかなかったアイディアが完全開花した彼の代表作であろう。
何とも語尾が歯切れ悪いが、ドアタマの名曲〝Squarepusher's Theme〟の衝撃から、一枚目「Feed Me Weird Things」を推す方も居るだろう。本作の次、たった三ヶ月のインターヴァルでリリースされた、アレでお馴染みのミニアルバム「Big Loada」という線も捨て難い。何を隠そう筆者はコレらではなく、次のフルアルバムを猛プッシュしたいヒネクレ者だったりする。
だが、作品の楽曲の質・音質などの安定度と、『スクプと言ったら?』という質問を明確に答えているのは本作以外に考えづらいのではないか。
それ以降の作品? ははは、ご冗談を。

とりあえず、まずはコレ。もしくは前の
いや、わざと先に近作ってのも手か? などと底意地の悪いコトを意味深に書いてみる。

M-01 Coopers World
M-02 Beep Street
M-03 Rustic Raver
M-04 Anirog Da
M-05 Chin Hippy
M-06 Papalon
M-07 Ez Boogie
M-08 Fat Controller
M-09 Vic Acid
M-10 Male Pill, Pt. 13
M-11 Fat F's and V's
M-12 Rebus


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