2011年5月22日日曜日

ULRICH SCHNAUSS 「A Strangely Isolated Place」


独国人による2003年作、二枚目。

いやーまあ、使っている音色のダサいことダサいこと。もう一歩踏み込んで言えば、音色使いのセンスの古いこと古いこと。
けど、もっと洗練されなよ、なんて口が裂けても言わない。そんな愚直な貴方が好き。
演っていることがずばり、シューゲイザーを打ち込みにした感じなのだから、下手に新世代を意識した音使いをする必要がない。現在のシューゲイザー自体が80年代中盤に築いた自らの遺産を切り売りして延命しているだけだし。

最近、そのシューゲイザーにリバイバルの兆しがある。この音を頑固貫いてきたシュナウスにとって、これは追い風だ。

ビートパターンはシンプルで、もっさりしている。フィードバックノイズの代わりにメランコリックなシンセ音をド真ん中に据え、声という楽器をロマンティックに被せる。その一方でシューゲイザーのダルな部分を小出しにし、耽美的な部分を強調して曲を構成――
非常に理に適った、通称〝エレクトロニックシューゲイザー〟作品だと思う。
何だか意味の分からない造語を使ってしまった(エフェクター類が卓に付いてるのに、何で〝靴を眺める〟のさ?)けど、そういうのを抜きにして筆者は、BLACK DOGやらLFOやら――つまりシュナウスよりも一・二世代前のテクノアーティストに触れるような気分で、本作を愛聴している。彼の作品の中では一番出来が良いし。
別にばかにしている訳じゃないよ!

最後に、彼は2009年、何とあのGUNS N' ROSESにパクリ疑惑を吹っ掛けている。ただし彼本人の意思ではなく、所属レーベルによる訴えであるが。
そのパクられた曲の片方は、本作のM-08に収められている。でもまあ、あんま気にするほどじゃないような。

M-01 Gone Forever
M-02 On My Own
M-03 A Letter From Home
M-04 Monday - Paracetamol
M-05 Clear Day
M-06 Blumenthal
M-07 In The Wrong Place
M-08 A Strangely Isolated Place


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