2012年4月8日日曜日

ROOTS MANUVA 「Run Come Save Me」


ジャマイカ系英国人ラッパー、2001年作二枚目。
Ninja Tune――というよりも、正確にはその傘下のヒップホップ特化レーベル・Big Dada Recordings所属。

この人も客演が多い。
だが他流試合で名を高めていった客演女王・マルティナ姐さんとは逆に、レーベルメイトやヒップホップコミュニティ内など、俗に言う〝マイメン〟繋がりを重視している。
そんな保守的なところが如何にもヒップホップの人なのだが、あながちガチガチ保守派でもない。どちらかと言えば革新派に近い(もちろん保守派が劣り、革新派が優れていると語るつもりは毛頭ない)。

そんな彼の積極果敢な活動姿勢を物語るエピソードは次回に譲るとして、作品からでもその匂いを十分に感じ取れる。
まずはこれでもか! と言わんばかりにぶんぶんベースがうなりまくる。両親がジャマイカンで、MAD PROFESSORやLEE PERRYをヒーローと崇める彼のこと、レゲエ/ダブの影響を色濃くトラックに反映させるのは当然の帰結。もちろんフロウもラスタ風。しかも翌年、本作のダブ盤までリリースする傾倒具合。(何でもリリックの書き方もかなり特殊らしいのだが、筆者はそれほどヒップホップに詳しくないのでお茶を濁しておく)
かと言ってヒップホップを疎かにしている訳ではない。RAKIMに強く影響を受けたことを公言し、ヒップホップフォーマットをきちんと踏まえている。根無し草では決してない。
そんなヒップホップとレゲエの良いトコ取りを目指す彼のトラックは、ほぼ自作(前作など丸ごと自作!)。ラッパーが自作トラックに拘るのも珍しいが、デビュー前にスタジオエンジニアとして働いていた経歴を持つ彼にとって、至極当たり前の考えと言える。

要は象徴的なパンチラインを持ち、スキルも高く、トラックを自分で組めて、仲間を大切にする社交的な彼は、ヒップホップ界のチートキャラなのだ。

ダビーな抜けの良い音像は、如何にもUKブレイクビーツシーンの賜物。もちろんそのシーンもヒップホップカルチャーから派生しているのだから、異端ではない。むしろ王道――UKヒップホップ界のど真ん中を貫いている。
そんな本作では機材も良いモノが使えているようで、すこぶるメジャー感が漂っている。本領発揮、才能開花! と宣言しても語弊がないはずだ。

そんなコトよりもっ! このあほPV見てみんなで笑おうぜ!

M-01 No Strings...
M-02 Bashment Boogie
M-03 Witness (1 Hope)
M-04 Join The Dots
M-05 Black Box Interlude
M-06 Ital Visions
M-07 Kicking The Cack
M-08 Dub Styles
M-09 Trim Body
M-10 Artical
M-11 Hol' It Up
M-12 Stone The Crows
M-13 Sinny Sin Sins
M-14 Evil Rabbit
M-15 Swords In The Dirt
M-16 Highest Grade
M-17 Dreamy Days
M-18 Son Of The Soil (Bonus Track For Japan)


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