2014年3月16日日曜日

LITURGY 「Aesthethica」


ブルックリン出身、ハンター・ハント・ヘンドリクス(テメエ、明らかに芸名の元ネタトリプルHだろ!!)率いる〝新世代ブラックメタルバンド〟2011年作の二枚目。

はっきり申し上げて、彼らに〝ブラックメタル〟のタグを下げるのは良くない。
共通する点はトレモロ奏法とブラストビートくらいだ。スタジオ衣装はほぼ普段着だし、白塗りもしていない。厨二っぽいが、(形だけでも)悪魔崇拝者ではない。大手インディーに移籍して、録音状態も格段にクリアになった。
メタルと言うカルトなジャンルの極北にあたる、更に選民意識の強いジャンルなのだし、異端は排除してあげた方が真正ブラックメタルさんサイドにとっても、彼らやDEAFHEAVENさんサイドにとっても有益なんじゃなかろうか。

なら代わりに彼らをどんなジャンル名で括れば良いのか?
〝マスメタル(Math Metal)〟で良いんじゃないっすかー? (鼻ホジー

冗談はさておき、彼らの音楽性はまず例の(利き手はひたすら連続ピッキングして、もう片方の手は運指を複雑に動かす)トレモロリフと(キックとスネアとハイハットを同時に高速で叩く)ブラストビートありき。
その一方でキメがやたら多い。あまりにキメを多用し過ぎて、ループさせているんじゃないか? と勘繰りたくなるくらい多い。このことから、テクニック至上であることが伺われる。
音像は左右にそれぞれギターを配置。共に高音部を担う。中央をドラムが高速ビートで貫き、トレモロリフとの相乗効果で物理的速度を構築する。ベースは同じく中央に侍り、ひたすらギターにユニゾンすることで、高音パートがリズムパートと剥離しないよう吸着する役目を司る。その両者の平均高低差が高いためか、この手の音楽としては幾分かベースパートが聴き取りやすい。インストはおしなべてこんな調子。
あとは、自分より強い敵を野生の本能で察知してビビっている豺狼のような声で吼え散らかすHHHのヴォーカルを、ドラムの更に後ろから背景音のように鳴らすくらい。歌詞はちゃんとあるが、まず判別出来ないので内容などどうでも良い。
無論、同じコトばっかり演っては飽きられるので、M-03・M-05・M-07・M-11のような間曲を挿むことでアクセントを付けている。
それでも足りないと、M-09のようなミッドテンポのドゥームナンバーを演ってみたり。ごく稀にハードコアでお馴染みのDビートでボトムを支えてみたり(注:ブラストビートもハードコア系派生)。ギターのトレモロリフが錐揉み逆噴射の末に天高く広がり、シューゲイザー化したり。いろいろ伏線を引いて今後に繋げようと足掻く姿勢は高く評価したい。
中でも、M-07のようなトレモロで鳴らすべき音をしょぼい打ち込みで展開したら何だかバロック調に聴こえてきたり、M-11のように人声を重ねて聖歌っぽく聴かせてみたりする中世っぽい試みは、見るからにナルちゃんなHHHの雰囲気と見事に合致するので、この彩を本チャンの楽曲でもっと滲み出せれば……。

なお、本作はあのシカゴの大手インディー:Thrill Jockey Recordsよりリリースされた。
あー、OOZING WOUNDとかTHE BODYとかTRANS AMとか抱えるラウド系レーベルですもんねー。(棒

Disc-1
M-01 High Gold
M-02 True Will
M-03 Returner
M-04 Generation
M-05 Tragic Laurel
M-06 Sun Of Light
M-07 Helix Skull
M-08 Glory Bronze
M-09 Veins Of God
M-10 Red Crown
M-11 Glass Earth
M-12 Harmonia
Disc-2 (Bonus Disc For Japan)
M-01 (Untitled)
M-02 Immortal Life
M-03 Life After Life
M-04 Everquest I
M-05 Everquest II
M-06 No More Sorry
M-07 Vessel Of Everthirst

Daymare Recordingsから出た日本盤は、かのレーベルお得意のゲートフォールド紙ジャケ仕様二枚組となっている。
さてそのおまけ盤(Disc-2)は、OVAL(もちろんドイツのあの音遊びおじさんだよ!)との同年リリースしたスプリットLPから、約20分ものインスト大曲M-01。あとデビューEP「Immortal Life」をまるごと、という内訳。
すべて既発曲だが、一枚目と併せれば彼らの活動が総括出来る便利盤だ。


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