2011年7月18日月曜日

MANUAL 「Ascend」


デンマーク人、ヨナス・ムンク・イェンセンによる2002年作品、二枚目。
いけめんである。

演ってるコトはずばり、ULRICH SCHNAUSSとの共通項も見い出せるエレクトロニック・シューゲイザーである。ムンクくんは元バンドマンで、TALK TALKやCOCTEAU TWINSやJAPAN(デイヴィッド・シルヴィアン)などのUK勢、アンビエント音楽の祖・BRIAN ENOあたりを影響土壌に挙げている。
この手のアーティストはド直球に、自らの影響と音楽性をあからさまに音で語るので非常に説明しやすい。

M-01で、安っすいシーケンサーからそのまま拾ってきたようなハンドクラップ音を使ってきやがって、思わず失笑したが、まあそこまで気にはならない。
前も書いたが、元々シューゲイザーなんて進化を止めている音楽なのだから、少しくらいダサい方が耳に優しいのだ。
後半、比較的ノンビートの曲が続く。ここら辺、ENOの遺伝子なのだろうが、終わりそうで終わらないこの浮揚感はBOARDS OF CANADAに近い。
全体を通して、夏の終わりの暗くなり切れない一抹の寂しさをゆったりとした曲調で丁寧に表しているなあと。

とまあ、オリジナリティはあまり感じられないが、コレを当時若干二十歳前後の青年(いけめん)が創ったのだから凄いと言うか立派と言うかいけめんもげろと言うか……。
コレで単なるイッチョカミの真似っコなら「ふざけんなこのいけめん!」と、ディスクをフリスビーにするところなのだが、後の将来性を感じさせる佳作なのだ。
くやしいのう、くやしいのう。

エレクトニカは非モテがしこしことベッドルームで量産するだけの音楽ではない。
才能――いや、やる気さえあればどんな素性の者でも参加すべきなのだ。そうすればシーンが活性化する。
だが聴き手は非モテが大半なので、筆者は今から壁を殴ることにする。

M-01 Midnight Is Where The Day Begins
M-02 Astoria
M-03 Out For The Summer
M-04 Cassy
M-05 The Distance
M-06 A.M.
M-07 As The Moon Spins Around
M-08 Keeps Coming Back


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