2011年9月20日火曜日

BROADCAST 「Tender Buttons」


まず、何と書き始めて良いか分からない。

英国はバーミンガム出身、トリッシュ・キーナン(Vo)とジェイムズ・カーギル(B)からなる夫婦デュオの2005年作品、三枚目。
Warp Records初のバンド』のタタキ通り、デビュー当時はVo、G、B、Key、Dsの五人編成で活動していた。

各パートの鳴らす音の配置が固定された、いわゆるモノラル録音でレトロ感を醸し出す〝古くて新しい音楽〟が持ち味の彼ら。デュオ編成になったことで、カーギルのベース音も(心なしか)増えた。加工された装飾音の割合も(大幅に)増えた。M-09を始めとするチップチューンのような新機軸も出た。
だがそれらはあくまで、キーナンの淡々としたモノトーンヴォイスを引き立たせる脇役。その軸はデビュー当時からぶれていない。

そのキーナンの歌唱スタイルはアンニュイだったりストイックだったりクールだったり……それらの彩を曲毎に使い分けるのではなく、そのまま軽く攪拌してアルバム全編で押し通すタイプである。我の強さはないので〝押し通す〟なんて言葉が的を射ていない気もするが、少なくとも器用なタイプではない。
それでも彼らはシーンに替えがそうそう居ない地位を得、アルバムは飽きることなく聴き通せてしまう。なぜか?

やはり自らの焦点を誤りなく射抜いているコト。コレに尽きる。
キーナンを引き立たせるべく曲を書き、キーナンはそれに甘えることなく歌う――デュオ形態になったことで仲睦まじい夫婦愛が結晶となって、より本作に強く表れたのだろう。
こうなると、揺るぎなき軸を持つアーティストは強い。ある一定の決まりゴトさえ守れば、何を演ってもBROADCASTの音楽になる。
単調かと思いきや、飽きのこない作風の秘密はこんなトコにあるのやも知れない。

だがそれももうおしまい。筆者はとても悲しい。(理由は各自、調べて欲しい)
カーギルの今後の音楽活動に期待したい。

M-01 I Found The F
M-02 Black Cat
M-03 Tender Buttons
M-04 America's Boy
M-05 Tears In The Typing Pool
M-06 Corporeal
M-07 Bit 35
M-08 Arc Of A Journey
M-09 Micheal A Grammer
M-10 Subject To The Ladder
M-11 Minus 3
M-12 Goodbye Girls
M-13 You And Me In Time
M-14 I Found The End


0 件のコメント:

コメントを投稿