2011年9月24日土曜日
RADIAN 「Juxtaposition」
以前書いたTRAPISTでもドラムを担当しているマーティン・ブランドルマイヤーのメインバンドがこちら。他のメンバーもレーベルオーナー(シンセサイザー)、ライヴハウス付のエンジニア(ベース)と、一筋縄ではいかない音響野郎で脇を固めている。
本作は2004年作品の三枚目。
エンジニアはThrill Jockey Recordsと言えばこの人、Soma Studiosの引き籠り職人:ジョン・マッケンタイア。
えと、あの、非っ常ーゥに言いづらいコトなんですがァ……別にRADIANで演っているコトをTRAPISTへ持ち込んでも、音の素人である我々聴き手にはさほど違和感もないという。その逆もしたり。
現に日本盤のみのボートラ(M-10、11)のマスタリングは、TRAPISTのギタリストが手掛けていたりする。
え? ほんとにもしかして、鍵盤と六弦楽器の違いだけ?
まあまあまあ。それだけ両バンドの首魁・ブランドルマイヤーには、誰にも譲れない、確固たる音楽的ヴィジョンがあると思いねえ。
だからと言って『メンバーが違うから別バンド』なんて落ちでもなさそうな。
そこで両作品を聴き比べること数時間。
どちらも2004年作品なので、比較対象としてはこれ以上ない素材だ。
メロディをほぼ排除したシンセによる長音の鳴り。抜けの良いブランドルマイヤーのビート。それらに付かず離れずのベースラインと、その他に使用される楽器。加えて、副次的に発生する雑音(グリッチ)――
これらがやけに組織立って鳴っている上に、加工品としか思えない質感の音パーツも鼓膜に響いてくる。
漠然とだが、まずはざっくり鳴らしてから細部をちょこちょこ色付けしていくのがTRAPISTだとすれば、細部を(グリッチですら!)卓に持ち込んで徹頭徹尾弄り倒すのがRADIANなのかも知れない、と筆者は結論付けることにした。
もはやRADIAN側の三人が弾いている音など、パーツに過ぎないのだ!
分家の方がバンドっぽいのも変な話だが、本家は明らかに手間隙が掛かっているという点で、メインを張る意味がある。
けど、そんなコトをわざわざ踏まえてまで聴いても、気持ち良くなれないよ!
やはりぽーっと鳴らし、ほけーっと聴くべき音楽だと改めて気付かされる。
てんかい? ぎこう? りろん? なあにそれェ。きもちいのォ?
M-01 Shift
M-02 Vertigo
M-03 Rapid Eye Movement
M-04 Transistor
M-05 Helix
M-06 Ontario
M-07 Tester
M-08 Tiefenscharfe
M-09 Nord
M-10 Axon (Bonus Track For Japan)
M-11 HLx2 HLx2 (Bonus Track For Japan)
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