2011年9月8日木曜日

MASSIVE ATTACK 「Blue Lines」


ブリストル音楽シーンを発展させ、その名を世界中に知らしめた偉大な連中の、記念すべき初アルバムをまず。1991年作品。
WILD BUNCHなる名は、このMASSIVE ATTACKの前身ユニットにあたる。ココから多くの有能なアーティストが巣立っていった。

さて本作はデビュー作とは思えない、落ち着き払った創りだ。
ヒップホップを基調にして、黒人奴隷を扱った港というブリストルの歴史を背景に土着したレゲエ/ダブを取り込むことで、独特の湿ったブレイクビーツを形成した彼ら。驚くべきことにそのメソッドは既に完成されている。
まるで隙がない上に、堂々としており、やんちゃな部分がまるでない。全くもって空恐ろしい初作品を創ってくれたモンだ。
まあリーダーのダディGは当時三十二歳。相方の白人メンバー、3Dは二十五歳。後に脱退するDJ、マッシュルームは二十四歳と、初めてフルアルバムというモノを創り上げた歳としては経ている方なのだから、至極当然のコトなのかも知れない。

この前年、ヒップホップの本場・米国にて、ジャズを基調に若干二十歳の青年たちが驚くほど洗練された初作品を披露した、その名もA TRIBE CALLED QUESTと比較してアレコレ考えてみても面白い。

締めにゲストメンバーについてあれこれ。
MASSIVEと言えば女性シンガーの人選の絶妙さだが、本作はシャラ・ネルソンがM-01、06、07、08で張りのある歌声を披露している。M-06の堂々たる歌唱は彼女の真骨頂であろう。(あとM-09では、WILD BUNCH時代から付き合いのあるネナ・チェリーがちょろっと参加)
忘れてはいけないのが〝Voice Of Massive Attack〟と称されるレゲエシンガー、ホレス・アンディの琥珀色の声。M-02、05、09を聴いて酔って欲しい。
あと……補欠準メンバーのトリッキーが居たっけねえ。例の如くぼそぼそラップでM-03、05、07に口出して参加している。
蛇足ながら、PORTISHEADのジェフ・バーロウが丁稚奉公エンジニア見習いとして本作に参加しているようなのだが、そんなクレジットはない。

M-01 Safe From Harm
M-02 One Love
M-03 Blue Lines
M-04 Be Thankful For What You've Got
M-05 Five Man Army
M-06 Unfinished Sympathy
M-07 Daydreaming
M-08 Lately
M-09 Hymn Of The Big Wheel


0 件のコメント:

コメントを投稿