2001年発表の四作目。
まず一聴、あれっ? となる。
アルバムの前半、ビートがリムショットだったり、ぽこぽこ鳴る音色を使っていたり。割れても良いからアタックの強い音ばかりを好んで使っているいつもとはどこか違う。
聴き進めていけばいつもの音色に落ち着くのだが、それよりもビート構成がいつもの彼に比べていやにシンプル(あくまで彼基準の“シンプル”なので、他のトラックメイカー基準だとやっぱりへんちくりん)。また違和感を覚える。
筆者は「RIOW ARAIに真っ当な音は期待してないんだけどなあ……」と首を傾げつつヘッドフォンで聴き直してみれば驚いた。
ビートがシンプルになった分、音響工作がこれでもか! と言わんばかりに密だった。
曲構成は以前と一緒。ボトムライン重視で、上モノはワンショットがメイン。メロディ度外視。音は加工せず、素のまま鳴らす。
で、トラックの軸となるメインの上モノと、スネアやキックといったビートの根幹をど真ん中で鳴らすのは当然として、背景トラックに当たるハイハットを含む装飾音を、とにかくまともに鳴らさない。隙を見ては左右に揺すりたがる。一音ごとに左右へ振り分けるなど当然。同じ音を両耳で同時に鳴らすのもアリ。全く同じ音を全く違う位置で鳴らしもする。
極め付けは、ある些細なワンショットを片方の耳だけ、イレギュラーなタイム感で、極端な位置で、トラックにわざと埋もれさせて鳴らすような細っかい仕掛けまで施した点。
ココまでするかと。
要は「聴き取りやすい部分は分かりやすく組んだけど、聴き取りづらい部分こそ凝って練り上げたよ」というコトなのかも知れない。
とりあえず一度、ヘッドフォンを装着して聴いて欲しい。
なるべく頭空っぽにして聴くと、どこから音が鳴るか読めなくてメチャメチャ楽しいよ! 頭を使って聴いちゃだめだよ! すっごく疲れるよ!
で、最後のM-11は例の如くメロディ主導のアンビエントトラック。あー、お疲れさまー、って声を掛けられたような感じかなー。
M-01 Intro
M-02 Side Swipe
M-04 Kusakari
M-05 Provoke
M-06 Revelation
M-07 New Thread
M-08 Fleeting
M-09 Brick Bat
M-10 Compress
M-11 Bitter Sweet
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