2012年3月24日土曜日

CHICAGO UNDERGROUND QUARTET 「Chicago Underground Quartet」


シカゴのジャズ大将:ロブ・マズレクの加減算プロジェクト、四人組では唯一の音源。2001年作。CHICAGO UNDERGROUND系(以下CU系)としてはコレの次にリリースされた。
今回はいつものThrill Jockeyからのリリース。いつものSoma Studiosでいつものマッケンさんが録る〝恒例行事〟と書いて〝おやくそく〟と読む体制。

メンバーはマズレク(コルネット)、チャド・テイラー(ドラム)、ノエル・クーパースミス(ダブルベース)、ジェフ・パーカー(ギター)……って、TRIOと同じ編成じゃないですかー、やだー!
だが今回は〝QUARTET〟だからして、四人フルの演奏が満喫出来る。三人しか同時に鳴らせない制約などない、フルコンタクトなプレイが売り! と思っていただきたい。
だからか、今回は割とバラエティに富んでいる。
どっぷりジャズな曲もあれば、パーカーが大活躍するTORTOISEっぽいギターフレーズをフィーチャーした曲もある。水墨画のようなポストロック的テクスチャーをジャズで翻案した曲もある。如何にもフリージャズ然とした、ポリリズミックな曲だってある。アルバムが終了し、暫しの空白後に起こるどっきり仕掛けだってエキサイティングだ。
メンバーそれぞれ自作曲を提供して編んだのが、この多様化の要因である。

それらを締めるのが、四人の真ん中にどんと聳え立つ野太いジャズの御柱であり、バンマスのマズレク大将が鳴らすコルネットの音だろう。
不動の軸さえあれば何を演ったって許される。おまけに我々下々の者どもにも分かりやすく咀嚼される付加価値も生まれる。

そうなれば本作が、CU系の音世界を一望出来る総決算アルバムだと言い切ってしまえ、この先の締め文への展開が楽になる。
CU系全主要構成員が、己の我を出すべく各々が曲を持ち寄り、結果として多角的な作品となり、でもジャズとしか言いようのない作風を貫き、マズレク大将ありきの、気持ち良い曲ばかりが詰まった高品質アルバム。
CU系に興味が沸いたのなら、まずはコレ! と言わんばかりの見本市。

M-01 Tunnel Chrome
M-02 Four In The Evening
M-03 A Re-Occurring Dream
M-04 Welcome
M-05 Three In The Morning
M-06 Total Recovery
M-07 Sink, Charge, Fixture
M-08 Wo Ist Der Kuchen, Meine Frau
M-09 Nostalgia
M-10 Dance 99 (Bonus Track For Japan)



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