とうとう三人で立つ!
ちっとも動けない本体・CRITTERS BUGGINに業を煮やし続ける、スケリック(サックス)、ブラッド・ハウザー(ベース)、マット・ディロン(打楽器類)が、再びマット・チェンバレン(ドラム)を省いて結成した場繋ぎバンドの2011年作品、二枚目(一枚目は自主流通盤)。ブルックリン発、へんてこ新興ジャズレーベルThe Royal Potato Familyからのリリース。
録音は例のStudio Litho(オーナーはPEARL JAMの人)にて、技師はSUNN O)))やEARTHを手掛けたランドール・ダン、という泣かせるシアトル人脈。
つか何なのよこのバンド名。ゲートフォールドの紙ジャケを開いて嘲笑して欲しい、もちろんあのカーリーヘアのサックス吹きではなく、コイツらを。
M-09では作曲クレジットにも名を連ねているし、チェンバレンとはケンカ別れではないと思いたい……セッション活動が相変わらず多忙なだけで。
代わりにドラムセットへ向かったのは、言うまでもなくディロン。もちろんパーカッションも、最近の定番になりつつあるヴィブラフォンも兼任。
と来ればアレ。『TORTOISEみたいなコトやってみっか!』。M-01が露骨に最近の亀さんぽくて苦笑してしまうこの曲、盛り上がるに連れて何とブラストビートが飛び出す奇天烈さ。さすがに〝TORTOISEの甲羅〟たるマッケンさんもココまではっちゃけない。
以後、ちょくちょくブラスト放ってみせたり。いつもより盛んにサックスがブロウしてたり。展開が無節操にごろごろ変わる変態曲演ってみたり。一瞬だけごりごりっとハードコアになってみたり。いやむしろサックス入りハードコア演ってたり。ディロンがへなちょこラップかましてみたり。一変、びっくりするほどド真面目にムーディなジャズを演ってみたり。
まあ忙しないことで。
ココらでこう思われる方も居らっしゃるかも。「ディロン、いやに頑張ってね?」と。
その通り、前回ですっかり主役のスケリックを食う勢いだった彼が更に図に乗ったのが本作。ドラムながら六曲も作曲に関わっている。
風貌からして如何にも陽気でガサツでパワフルなアメリカンドラマーの彼。その雰囲気が、作中で時折漂うあほっぽさを引き出しているのだろうか。参加直後のクリバギ作品も可笑しな空気が内包された怪作だったので、さもありなん。
とはいえ真面目に演れることを証明している連中なので、本作もきちっとアレンジを練って――いや、どうなのか……? 結構行き当たりばったりに曲を展開させている節も……。
そんないい加減なトコも彼らの魅力っ。
ほら、バンド名がDEAD KENNEDYSのモジリですから。パンクですから。ノーフューチャーにデストロイしなきゃ――って本来、クリバギってこんな風にテキトーだしィ。
M-01 Devil's Playground
M-02 Black Truman (Harry The Hottentot)
M-03 Melvin Jones
M-04 Black Budget
M-05 Black Death
M-06 Bucky Balls (Spherical Fullerene)
M-07 Luxury Problems
M-08 Black 5
M-09 Sweatbox
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