2012年3月16日金曜日

BONOBO 「Days To Come」


Ninja Tuneの番人、サイモン・グリーンによる2006年作の三枚目。

スモーキーなブレイクビーツから、ジャズオリエンテッドな方向性へ――Ninjaも時と共にそのカラーを変えてシーンに君臨し続けている。
別にお互い争っている訳ではないが、保守派中堅どころの彼もようやく三枚目で作風を軌道修正してきた。言い方は悪いが、革新派Ninja路線に迎合する形で。
具体的に言えば、以前からジャズ色はあったものの、当時Ninja主力のシネオケばりに前面へ押し出すようになった。M-08などその最たるトラックだろう。既にイントロのM-01から、短いながらもその彩を予告している親切設計。
ほら、何せ〝Ninjaの番人〟なのだから。主の変革に付き従うのは是当然。それよりも、何の違和感もなく進化を遂げているこのさり気なさ。
そうなれば自ずと生音の含有度も以前より増す。その大半はグリーン自身が弾いている。

あらあら、古き良きNinjaテイストを守る彼にしてはなかなか冒険したこと。いやいや、この程度の変化はまだまだ序の口。
コレより分かりやすく、しかも大胆な新機軸カードをグリーンが切ってきた点を書かねば、このかんそうぶんの意味がなくなる。

ずばり、いづれもDisk-1のM-02、M-03、M-06、M-10でインド生まれの女性シンガー・BAJKAが、M-09ではレーベルメイトである〝英国のジャック・ジョンソン〟FINKがゲストヴォーカルとして迎えられた――コレに尽きる。
今まで声をサンプルソースに使ったコトはあるが、歌モノは初の試み。
無論、全てにおいてそつのないグリーンが的確に〝歌声〟という最強の音色をトラックに当てはめているのは言わずもがな。むしろ今後、凛としたしなやかさが持ち味のBAJKAを加えて、BONOBOは巷でよくある男女デュオ編成になるべきさ! と進言したいくらい良き彩を曲に齎している。FINKは独りでアコギ抱えて頑張んな!

全体的に一皮向けた印象。このまま、スモーキーかつジャジーな〝Ninjaの中のNinja〟なアーティストに成長して欲しい。

Disk-1
M-01 Intro
M-02 Days To Come
M-03 Between The Lines
M-04 The Fever
M-05 Ketto
M-06 Nightlite
M-07 Transmission94 (Parts 1&2)
M-08 On Your Marks
M-09 If You Stayed Over
M-10 Walk In The Sky
M-11 Recurring
Disk-2
M-01 Days To Come (Inst.)
M-02 Between The Lines (Inst.)
M-03 Nightlite (Demo Ver.)
M-04 If You Stayed Over (Inst.)
M-05 If You Stayed Over (Reprise)
M-06 Walk In The Sky (Inst.)
M-07 Hatoa

最後にDisk-2だが、Disk-1中の歌モノトラックのカラオケみたいなモンで特筆すべき点はない。強いて挙げれば、誰が歌っているか分からないが(もしかしてグリーン本人?)、M-03でBAJKAとは異なるアプローチの歌メロを執っている部分くらい。
とは言え、歌抜きでもさほど空白部分を感じさせないトラックを組める彼の実力を、このおまけで再認識出来るのでは。


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