ウェザオール/テニスウッドの極悪タッグ、Warp Recordsデビュー作(通算二作目)は1998年発表。
音世界はアシッドでもあり、エレクトロでもある。改めて聴き直すと、随分と初期段階からこの表現軸を貫いていたんだなあと気付く。
ただ、本作のキーワードは、ジャケを見ての通り〝水中〟である。
水を打ったような静けさから響く、ささやかな音像。こぽこぽと水泡を上げる音色。時折切り出される、水槽の中で鳴らされているかのようなくぐもった主音。
ダビーな音像、と言えばそうなのかも知れないし、ダブとはちょっと違った空間処理、と評しても間違いではない、何ともけったいなテクスチャー。
明らかにジャケをはじめとするコンセプトを意識して音を創っている。もしくは聴き手の脳内がジャケに喚起され、鳴らされている。
こうなるともう、それを意識して組んでいないトラックまでそう聴こえてしまうのだから、なかなかどうして絶大なインパクトを持つ音世界だ。
〝水中エレクトロニカ〟――何とニッチな響きのジャンルかー。
舞台は水族館でも、水槽でも、日光が差し込む程度な深さの海中でも構わない。くらげになったような気分でぼけーっと聴き浸って欲しい。キモチイヨ。
特に明るくはないが、それほどおどろおどろしい暗さもないので、深海までイメージせずとも良いと思う。キモチワルクナイヨ。
けど、それはそれで別枠で聴きたい気がする。
〝深海エレクトロニカ〟――何とわくわくする響きのジャンルかー。
M-01 Hope We Never Surface
M-02 Ink Cloud
M-03 The Big Clapper
M-04 Ivy And Lead
M-05 We Change The Frequency
M-06 No Red Stopping
M-07 Spine Bubbles
M-08 Mr.Paris's Monsters
M-09 Light The Last Flare
M-10 We Discordians (Must Stick Apart)
M-11 Alpha School
M-12 As Worldly Pleasures Wave Goodbye
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