2011年6月4日土曜日

AUTECHRE 「Untilted」


説明不要の二人組。2005年作、八枚目。

AUTECHREと言えば変ちくりんで、如何にもデジタルな肌触りのトラックが難解で理解出来ない、と敬遠されている方も多いと思う。
筆者はちっともAUTECHREが難解だとは思わない。ただ、聴き慣れない音を創っているから難しく感じるだけだ。

「考えるな、感じろ」と、かのブルース・リーは言った。

AUTECHREは生来のヒネクレ精神から、聴き手が難解に感じそうなトラックを組んでいる訳ではないと思いたい
ヒネクレ者のAUTECHREが、自分たちが最っ高に気持ちイイと感じる音色を用いてトラックを組み、聴き手に「どうよ?」と提示しているだけであるはずだ
それが単なる自己満足で終わらず、同様に感じる聴き手も多々居るから、彼らは高い評価を受けているだけなのだ。
つまり「AUTECHREみたいな小難しい音楽を聴いてる自分って知的でかっけえ」とか思っているオサレナルちゃんを除けば、彼らの創るヒネクレ音的テクスチャーが結構受け入れられていることになる。
なら試す価値は大ありだ。

そこで筆者はまず、本作を推す。理由は簡単。気持ちイイ音がAUTECHRE史上、いっぱい詰まっているアルバムがコレだと思うから。
いびつでやけに耳に引っ掛かるビートが主音色として先導し、やがて驚くべき変貌を遂げる二層構造のM-01。〝Gantz Graf〟強化版とも言うべきM-04。惜し気もなく音色がどんどんと注ぎ込まれるのに、曲の軸は全くぶれない脅威のM-05。FRONT MISSIONシリーズで使って欲しいくらいシンプルかつサイバーなM-06、などなど。
元々クラブカルチャーどっぷりの人種は総じて快楽主義者なのだから、そんな創造物に肩を張らず、楽ーゥに身を任せればよろし。
向こうは真剣に創ってくれているけど、こっちに真剣に聴いてくれ! いや、聴け! なんて強制している訳じゃないし。
つか、そんな高尚なコトを考えているアーティストとやらは、「こんなかっけえ音聴いてる自分てセンス超良くなァい?」みたいなオサレナルちゃんを相手にしてればよろし。

そういう(個人的に)唾棄すべき存在の輩にも門戸が開かれている点に、音楽の懐の深さがあるのさー! ひゃっはーっ!

M-01 Lcc
M-02 Ipacial Section
M-03 Pro Radii
M-04 Augmatic Disport
M-05 Iera
M-06 Fermium
M-07 Trees
M-08 Sublimit
M-09 Zurich 2001 (Bonus Track For Japan)


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