見て! この素敵ジャケ。シックでいいなあ。
シカゴの人力ミニマルアンビエント四人組の、こんなタイトルだけど四作目。2003年作品。なぜ「5」かは、ミニアルバム扱いのコレをカウントに入れているため。
このバンドは日本の音楽に強く影響を受けている。
もちろんジャパコアでもない。ノイズ系でもない。V系でもなければテクノでもない。
ずばり〝雅楽〟である。
彼らは雅楽の、長音を幾重にも塗り重ねる手法に感銘を受けた。前作「C'mon」までは出し殻のようにひっそりと鳴らす生楽器の音を、なるべく最小音数で荒縫いし、反復してきた。
本作でもその色は残している。元々が一音一音に自己主張を籠め過ぎないさりげなさで、すっと聴き手の心に寄り添う淑やかな音像が持ち味のバンドである。
で、M-04。いきなり静粛を劈くヴィオラの音、掻き鳴らされるアコギで、このバンドが新機軸を打ち出そうとしているのに気付くであろう。
各楽器がポリリズミックに鳴らされようとも、曲中で同士討ちせずに共存するこの質感。それを即興ではなく全て理詰めで演奏するこのメソッドこそ、彼らが目指した洋風雅楽なのではなかろうか。
本作発表後、教会にて演った来日公演で手応えを掴んだ彼らはこれ以降、雅楽色を更に強めてしまう。それもそれで良いのだが、この分岐点にあたる本作はひっそり人力ミニマルと洋風雅楽、正に双方の良いトコ取り。
気持ち良い音たちが、気持ち良く織り重ねられ、気持ち良い湯加減で、気持ち良く耳に馴染んでくれる。
至福だなあ。
M-01 Sleeping In The Midday Sun
M-02 Aubergine
M-03 Nonstop Dancer
M-04 Lifestyled
M-05 Old Fashioned
M-06 Shirtless
M-07 I'm Appealing (Bonus Track For Japan)
M-08 Lost And Found (Bonus Track For Japan)
M-08 Lost And Found (Bonus Track For Japan)
はじめまして。TOWN AND COUNTRYで検索してたどりつきました。このアルバム良いです!色々良いのが紹介されてそうなのでまた見にきます。
返信削除本人は焦点を定めたつもりでも、傍から見ればいろいろとっ散らかっているボログですが、コンゴトモヨロシクお願い致します。
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