2011年6月22日水曜日

BOARDS OF CANADA 「The Campfire Headphase」


言わずもがななスコットランドの二人による、2005年作品。Warp Recordsからは三枚目。一人抜けて、二人組になってからも三枚目。
その片割れも現在、じみーちに音楽活動してま。近いうちに紹介するよ!

本作はBOCにとって勝負作なはずだ。
なぜなら今まで、自己レーベルのMusic70から(限定五十枚とかカセットテープとかで!)ひそひそ出していた音源を焼きなましたモノを含ませていたのに、本作は全曲新曲で挑んでいるからだ。
だがこのユニット、本当に自己主張がない。この出来ならもっと胸を張ればいいのに、相変わらず現在進行形の活動状況がはっきりしない。
その慎ましやかな面が、かの謎ニカレーベル・Skamからフックアップされた所以かも知れない。そろそろデビュー二十周年になろうとしているのに何の動きも見せない。

でもエレクトロニカの代名詞、と言っても過言ではない知名度とパブリックイメージを有しているのは事実。
明らかに本人たちが望んでいない地位を与えられたのはなぜか?
Warpという電子音楽界の至高レーベルと契約し、常にエレクトロニカ音楽を先導する優秀な作品を出していた――コレに尽きる。

ならちっとは自覚を持ってくださいよ、なんて言わない。
自覚をもっているからこその、マイペースなリリーススパンなのだから。

本作の最大の特徴――音が幾分か前向きになったコト。
これまで通りのもわーっとした背景トラックと相反する明快なブレイクビーツへ、古っ臭い生楽器の音を被せ、あえて主音に立てたことが奏功しているようだ。
お陰で、今まで家の中やすっきりとしない天気の屋外で聴いているようなイメージから、夏以外の晴天が似合う音像へ、爽やかな変貌を遂げた。
もちろん従来の〝らしい〟音も、アルバム後半で残している。M-15のような、終わりたいんだか続けたいんだか分からないアンビエントトラックも健在。

おや? もう、本作から六年、M-05をリーダートラックに据えたミニアルバムからは五年、経ちましたね。
そろそろ恋しいなあ、この追憶に浸れる音が。

M-01 Into The Rainbow Vein
M-02 Chromakey Dreamcoat
M-03 Satellite Snthem Icarus
M-04 Peacock Tall
M-05 Dayvan Cowboy
M-06 A Moment Of Clarity
M-07 '84 Pontiac Dream
M-08 Sherbet Head
M-09 Oscar See Through Red Eye
M-10 Ataronchronon
M-11 Hey Saturday Sun
M-12 Constants Are Changing
M-13 Slow This Bird Down
M-14 Tears From The Compound Eye
M-15 Farewell Fire
M-16 Macquarie Ridge (Bonus Track For Japan)


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