2011年6月6日月曜日

TAICHI 「Weekend Control」


国産ポストロックバンド、GROUPのドラマーによるソロ二作目。2003年作品。
ジャケ絵は近藤達弥

何とも編集盤のような曲名が並ぶが、れっきとしたオリジナルアルバムである。
なお、M-03とM-04の表記が丸被りだが、誤記ではないのであしからず。裏ジャケには『3,4 Highway In The Clouds』と刻まれているので、二つで一つの組曲と考えよう。

さて初っ端のスクラッチとヒューマンビートボックスの模擬音を和えたボトムへ、繊細で浮遊感漂う上モノを乗せた、びっくりするほどAPHEX! なM-01でリチャD信者の眉間に皺が寄りそうだが、その手の曲はコレのみ。
後は、あえて得物のドラムを用いず、卓加工でROVO渋さ知らズなどで活躍するドラマー:芳垣安洋を迎え討ったり。おねーさんにポエトリーディングをさせたり。ダブヴァージョンやクラブ系リミックスをさせたり、とバラエティに富んだ内容となっている。
重ね重ね申し上げるが、れっきとしたオリジナルアルバムである。

一枚目「Am I」は地味ーィにぽそぽそと鳴る出し殻エレクトロニカ、といった具合で筆者には何も伝わってこなかったが、コレは内容が散漫な割には違和感を抱かずに聴ける好盤となっている。
今回の勝因は何だろう。ジャケかな?
いや、この手の〝あれこれ詰め込んだ〟作風には軸が肝要。
散漫なのに一本筋が通った、とは是如何に? と思われるかもしれないが、要は己。自分のやりたいコトを、やれヒップヒップだテクノだロックだとわざわざ垣根を立てず、全力で詰め込んだ成果かと。

ソロなんだから自分の好きなように演ればいいじゃない、と言わんばかり。

なお、本作も日本のブレイクビーツシーンを支える優良インディーズ・Rebirthレーベル産。2010年にNUMB同様、リマスター+ボーナスディスクのリイシュー盤が出た。
お得でしょう?

M-01 Mirror
M-02 x2
M-03 Highway In The Clouds
M-04 Highway In The Clouds
M-05 From The Train Window (One Day)
M-06 Something
M-07 From The Train Window (DUB)
M-08 From The Train Window (OrganLanguage Remix)


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